なぜ銀行ATMはまだ必要なのか?キャッシュレス時代における重要性
キャッシュレス化が急速に進む中、銀行ATMの必要性が再評価されています。
特に日本では現金依存度が高く、ATMが日常生活の一部として欠かせない存在です。
この記事では、銀行ATMの役割、キャッシュレス社会での進化、地域経済への影響などを分析し、ATMが今も必要とされる理由を探ってみたいと思います📝
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目次[非表示]
- 1.ATMの歴史とその進化
- 2.銀行ATMの現在の役割
- 2.1.24時間いつでも現金を引き出せる利便性
- 2.2.現金が必要な場面
- 2.3.高齢者やデジタルに不慣れな層にとっての銀行ATMの重要性
- 2.4.現金依存度の高い日本社会の現状
- 3.キャッシュレス時代におけるATMの進化
- 3.1.ATMでの多機能化
- 3.2.モバイルアプリとATMの連携
- 3.3.セキュリティ対策とATM技術の進化
- 4.ATMの安全性と信頼性
- 4.1.安全な現金保管と取り扱いの役割
- 4.2.ATMが提供するセキュリティの向上
- 5.ATMが必要とされる地域社会の現状
- 6.将来のATMの展望と新しい役割
- 7.さいごに
ATMの歴史とその進化
ATM(現金自動預け払い機)は、1960年代にアメリカで誕生したといわれています。以降、現金の引き出しや振込など多機能化を遂げてきました。
日本では、1969年に住友銀行(現・三井住友銀行)が東京・新宿支店と大阪・梅田支店に日本初のATMを設置しました。
その後、1970年代には三井銀行(現・三井住友銀行)が24時間稼働のATMを導入し、利用者に利便性を提供しました。
参考:トレースhttps://bizportal.ntt-card.com/trace/vol89/articles01/
現在では、ほとんどのATMが通帳記帳、税金支払いなどの機能を備え、地域社会の金融インフラとして確立されています。
銀行ATMの現在の役割
24時間いつでも現金を引き出せる利便性
多くの人が必要なときに現金を引き出せるよう、ATMは24時間365日利用可能なインフラとして存在しています。
コンビニや駅など身近な場所に設置されていることで、どこでも迅速に利用することができます。
(写真:セブン・ペイメントサービス)
現金が必要な場面
現在の日本では、生活の中のどこかしらで現金が必要になることが多いです。
特に地方の小規模店舗、イベント、お祭りなどでは現金決済が一般的であり、そのためATMは重要な役割を果たしています。また、災害時や停電時には、ATMが利用者にとって頼りになる現金供給源となります。
高齢者やデジタルに不慣れな層にとっての銀行ATMの重要性
高齢者にとってATMは日常的な金融業務のひとつです。
デジタル操作に不安を感じる層でもATMを利用することで、簡単に金融サービスにアクセスすることができます。
現金依存度の高い日本社会の現状
日本の経済文化は他国に比べて現金への依存が強いとされています。現金取引が続く理由には、手数料やセキュリティの問題が挙げられ、現金を求める需要が根強く存在します。
2022年の世界主要国におけるキャッシュレス決済比率を算出した一般社団法人キャッシュレス推進協議会の報告によれば、日本のキャッシュレス決済比率は39.3%であり、韓国の93.6%や中国の83.0%と比較してとても低い水準にとどまっています。
また、ユニオンペイインターナショナルが実施した「現金とキャッシュレス決済に関する調査」では、日本の月額現金使用額が約2万円であり、中国の約2,800円と比較して約7倍の現金を使用していることがわかります。
キャッシュレス時代におけるATMの進化
ATMでの多機能化
現代のATMは、引き出しや振込に加え、税金や公共料金の支払い、さらには外貨引き出しまで対応するようになりました。
このような多機能化は、ATMの役割を「単なる現金引き出し機」から「総合金融サービス提供端末」へと進化させました。
モバイルアプリとATMの連携
キャッシュレス化に合わせ、ATMもスマートフォンと連携しています。
例えば、LINE Payや楽天銀行をみると、モバイルアプリからQRコードを利用してATMで現金を引き出す機能などもあり、利便性が大幅に向上しました。
写真:LINE Pay
セキュリティ対策とATM技術の進化
ATMにおけるセキュリティ技術も日々進化しています。生体認証システムやAIによる監視システムが導入され、不正利用への対策が強化されています。
これにより、ATMはより安全で信頼できるインフラとしての役割を果たすことができています。
ATMの安全性と信頼性
安全な現金保管と取り扱いの役割
ATMは、銀行が現金を安全に保管し、利用者が信頼してアクセスできる場所として機能しています。
スキミング対策や暗証番号の安全性確保などの仕組みもあり、利用者の安全を支えています。
ATMが提供するセキュリティの向上
スキミング防止装置やリアルタイム監視が導入され、ATMのセキュリティは格段に強化されています。
また、生体認証の導入により、セキュリティがさらに向上し、安心して利用できる環境が整っています。
ATMが必要とされる地域社会の現状
地方銀行や都市銀行による地域でのATMサービスの役割
地方におけるATMは、日常の金融取引の要となっています。
経済産業省が2021年に実施した「キャッシュレス決済実態調査アンケート」では、地域別のキャッシュレス決済導入率に大きな偏差は見られないものの、中国・四国地方ではコード決済の導入率が高く、交通系電子マネーの導入比率が低いと報告されています🧐
参考:経済産業省
地域によって利用されるキャッシュレス決済手段に差異があること、そしてやはりATMは地域社会に欠かせない存在ということがわかります。
ATMの地方経済における現金流通の重要性
地域経済において現金が流通することは、地元商店や市場にとっても重要なこと。ATMが地域での現金流通を支え、地域経済の活性化に貢献しています。
将来のATMの展望と新しい役割
将来的にキャッシュレス化が進む中でも、ATMは重要な役割を持ち続けると予想されます。
特に、緊急時の現金供給源や多機能な金融サービス提供端末としての価値が見直されています。
ATMの進化により、銀行と利用者の接点を増やすことが可能となります。
例えば、ATMでの相談窓口サービスや地域情報の提供など、ATMを中心にした新しいサービスの提供が検討されていて、さらなる進化が期待されています。
さいごに
銀行ATMは、キャッシュレス時代においても欠かせないインフラであり、日本の現金経済を支える役割を果たしています。
ATMの多機能化やセキュリティの進化、地域経済への貢献により、今後もATMが人々の生活において重要な役割を担い続けるでしょう☺️
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