金融機関のアクセシビリティ対応:誰もが使いやすいUI/UXデザインを実現するための3つの成功事例とトレンド
デジタルバンキングの普及が進む中、金融機関にとって、すべてのユーザーが使いやすいUI/UXデザインを提供することは、単なる「オプション」ではなく「必須条件」となっています。特に、高齢者や障害者といった、多様なユーザーがデジタルサービスを安心して利用できる環境を整えることは、顧客満足度を高めると同時に社会全体の包摂性を向上させるために欠かせません。アクセシビリティ対応が不足していると、利用者は不便さを感じ、結果として金融サービスの利用をためらう原因にもなり得ます。
日本国内でも大手金融機関がアクセシビリティ対応に積極的に取り組んでいます。多くの金融機関は、視覚障害者や高齢者を含むすべての利用者に配慮したUI/UXデザインを導入し、顧客体験の向上を図っています。アクセシビリティ対応は金融サービスにおける信頼性を高める重要な要素となり、競争力の源泉にもなっています。
アクセシビリティの観点からデザインを考えることは、単に特定のユーザー層の利便性を向上させるだけでなく、すべてのユーザーにとっての使いやすさを底上げする効果があります。金融機関がこうした対応を進めることは、より広範な顧客層へのサービス提供を実現するだけでなく、ビジネスの成長やブランド価値の向上にも繋がります。
この記事では、具体的な成功事例を通じて、金融機関が取り組むべきアクセシビリティ対応の重要性とその効果について詳しく解説します!
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目次[非表示]
成功事例①:三菱UFJ銀行のアクセシビリティ対応
三菱UFJ銀行は、アクセシビリティの向上に積極的に取り組んでおり、そのスマートフォンアプリではユーザーフレンドリーな設計がされています。
特に高齢者や障害者が利用しやすいように、生体認証(指紋・顔認証)を導入し、パスワードを入力することなくログインできる機能が特徴的です。
また、ワンタイムパスワードなどのセキュリティ対策も強化しており、視覚障害者向けの音声ガイドも充実しています。
(三菱UFJ銀行 アクセシビリティポリシー:https://www.mufg.jp/accessibility/index.html )
(三菱UFJ銀行 スマートフォンアプリ「三菱UFJ銀行」:https://direct.bk.mufg.jp/btm/banking/sp_appli.html)
三菱UFJ銀行は、ウェブサイトでもJIS X 8341-3:2016規格に準拠したアクセシビリティポリシーを公開し、ウェブやアプリでの利便性を高めています。この取り組みにより、さまざまな障害を持つユーザーにも対応し、広範な顧客層にサービスを提供しています。
成功事例②:ゆうちょ銀行のATMアクセシビリティ
ゆうちょ銀行は、ATMのアクセシビリティ対応でも先進的な取り組みを行っています。
視覚障害者向けに点字対応のボタンを採用し、音声ガイドシステムを導入することで、障害を持つ方でも安心して取引ができる環境を提供しています。
また、ATM画面上の文字を大きく表示するなど、高齢者向けにも配慮した設計がされています。
(ゆうちょ銀行 障がいのあるお客さまへの対応:https://www.jp-bank.japanpost.jp/sustainability/social/customer/disability/ )
ゆうちょ銀行のATMは、ユーザーにとってわかりやすいインターフェースを採用し、アクセシビリティの面で他の金融機関の模範となる存在です。
成功事例③:セブン銀行のユニバーサルデザイン
セブン銀行は、国内で広く展開するATMにおいて、アクセシビリティを考慮したユニバーサルデザインを採用しています。タッチパネルのコントラストを調整し、視覚に障害があるユーザーでも使いやすい設計となっています。さらに、ATMの操作ボタンを大きくすることで、誰もが簡単に操作できるよう配慮されています。
また、セブン銀行のATMは多言語対応しており、外国人ユーザーにも利用しやすい環境を提供しています。これにより、さまざまなバックグラウンドを持つユーザーに向けたアクセシビリティ対応を強化しています。
(セブン銀行 セブン銀行ATM+:お客さまに寄り添う、優しい存在を目指したATM開発:https://www.sevenbank.co.jp/branding/purpose/article/20240515_01/ )
アクセシビリティ対応の重要なトレンド
金融機関がアクセシビリティ対応を進める上で、以下のトレンドが注目されています。
ウェブアクセシビリティ規格への準拠
JIS X 8341-3やWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)などの国際規格に準拠することで、全てのユーザーがアクセスしやすいウェブサイトを提供。
生体認証技術の導入
高齢者や障害者がパスワード入力に煩わされることなく利用できるよう、指紋や顔認証を利用したログイン機能を導入する事例が増加。
音声ガイドと点字対応
特にATMでの音声ガイドや点字対応を強化し、視覚障害者が安心して取引を行える環境を提供。
ユニバーサルデザインの普及
画面のコントラストや文字サイズ、ボタンの大きさなど、ユーザーに配慮したデザインが増えつつある。
アクセシビリティ対応がもたらすビジネスメリット
金融機関がアクセシビリティ対応を進めることで、サービスの利用者が増え、顧客満足度の向上が期待できます。特に、高齢者や障害者といった従来の金融サービスでは対応が不十分だった層にも安心して使える環境を提供することで、信頼性と競争力が高まります。
アクセシビリティ対応は、金融機関にとっても重要なビジネス戦略の一部です。
金融機関がこうした取り組みを進めることで、社会全体の包摂性が高まり、誰もが利用できるサービスへと進化していくでしょう。
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