UXデザインコンサルタントが注目されている理由を詳しく解説
近年、インターネットの普及やデジタル技術の進化に伴い、様々なビジネスがオンラインで展開されるようになりました。オンラインサービスの多様化に伴い、様々な業界がオンラインサービスを利用するユーザーの購入体験の質の向上を図ることはもちろん、オンラインと実店舗での実体験を掛け合わせた『サービスを利用する全工程においての顧客体験』を重要視するようになってきました。
今回は、顧客体験の質を向上させるために用いられる「UXデザイン」、そしてUXデザインの専門家である「UXデザインコンサルタント」の役割とその重要性について解説します
目次[非表示]
- 1.UXデザインコンサルタントとは?
- 2.ユーザーエクスペリエンス(UX)とは
- 3.企業・プロダクトの事例を紹介
- 3.1.UXデザインをうまく活用できた事例
- 3.1.1.(1)エアビーアンドビー(Airbnb)
- 3.1.2.(2)デュオリンゴ(Duolingo)
- 3.1.3.(3)リクルートライフスタイル
- 3.2.UXに関する失敗も経験している人気サービスの事例
UXデザインコンサルタントとは?
UXデザインコンサルタントは、簡単にいうと、顧客がサービスを利用する際に経験する『顧客体験』を設計したり、改善するための専門家です。UXデザインコンサルタントの仕事は、サービスを利用する顧客のニーズや行動、市場のトレンドを把握し、それに応じたサービスのあり方やフロー、各種インターフェース等の提案をすることです。
サービスを利用する顧客体験の質を向上させることによって、企業は顧客の「買いたい・買いやすい」の購入意欲を向上させるだけではなく、「企業のイメージが良い」「また次回も利用したい」などのブランドイメージも向上させることができます。
つまり、UXデザインコンサルタントは「顧客にとって使いやすいサービスを構築・サポートする専門家」でありながら、「企業のブランドイメージの向上をサポートする専門家」ともいえます。
ユーザーエクスペリエンス(UX)とは
ユーザーエクスペリエンス、略してUXとは、サービスを利用する過程でユーザーがどのように感じ、どのように行動するかについての全体的な体験のことを指します。
「優れたUX」のゴールは、サービスのわかりやすさ、利用後の満足度など、ユーザーにとってプラスの体験を提供することです。
優れたUXデザインは企業にとって大きなメリットをもたらします。サービスへの満足度が向上し、リピート利用や口コミによる新規顧客の獲得が期待できるので売上の向上につなげることができるだけでなく、わかりやすくて効率的なデザインを取り入れることによってユーザーの操作ミスを減らし、ユーザーのストレス軽減とサポートにかかるコストの削減にもつなげることができます。
こういったメリットは競合他社との差別化につながり、市場での優位性を確保することができます。
企業・プロダクトの事例を紹介
多くの企業がUXデザインをうまく活用し、ポジティブな成果を得ています。逆に、UXデザインを考慮せず、ネガティブな印象を与えたサービスもありました。
ここではUXデザインをうまく活用できた事例とそうでない事例をみてみましょう。
UXデザインをうまく活用できた事例
(1)エアビーアンドビー(Airbnb)
エアビーアンドビーは、開発初期の段階からウェブサイト、アプリのデザインにおいてユーザー体験を重視していました。
宿泊施設の写真のクォリティをあげたり、シンプルなインターフェースとわかりやすい検索機能を取り入れ、サービスの使いやすさにフォーカスを充てたのです。
これにより、ユーザーは簡単に宿泊先を探すことができ、スムーズに予約することができるようになりました。エアビーアンドビーは急速に成長し、世界中で人気の宿泊予約プラットフォームになりました。
(2)デュオリンゴ(Duolingo)
デュオリンゴは、言語学習アプリの中でも特に目立つユーザー体験を提供しています。
ゲームの要素を取り入れた楽しい学習方法、学習の進捗を追うインターフェースの設計などがユーザーに継続的な学習のモチベーションを与えています。
また、それぞれのユーザーにニーズにマッチするパーソナライズされた学習プランが提供されるため、効率的に言語を学ぶことができます。このユーザーのモチベーション維持をゴールとした優れたUXデザインにより、デュオリンゴは言語学習アプリの中でもトップクラスの人気を誇り、約世界5億人のユーザーを獲得することができました
(3)リクルートライフスタイル
ユニクロは、オンラインとオフラインのショッピング体験の両方において、ユーザーファーストなデザインを取り入れている代表的な企業です。オンラインストアは使いやすいインターフェースに合わせてユーザーのニーズに合わせてパーソナライズされたおすすめ機能を提供することでショッピングの利用体験を向上させています。店舗では顧客の購入行動を徹底的に分析し、商品の配置やサイズ展開、店舗のレイアウトを最適化しています。ユニクロを利用する顧客はオンライン・オフラインともに「自分に合った」顧客体験が提供されているので「心地よさ」「ストレスフリー」な体験ができます。
UXに関する失敗も経験している人気サービスの事例
(1)Snapchatのデザイン大幅リニューアル(2018年)
Snapchatは2011年に初版が提供され大人気となった写真共有アプリです。その後順調にユーザー数を増やしていき、部分的なリニューアル・アップデートを重ねていましたが、2018年にアプリデザインの大幅なリニューアルを行いました。リニューアルの目的はアプリのナビゲーションの改善により、より直感的に操作できるものにすること。
アプリ改善のためのデザインリニューアルでしたが、多数のユーザーから新しいインターフェースはわかりにくい、使い勝手が悪いなどの批判が相次いで寄せられました。結果として、Snapchatは一時的にユーザー数を大幅に失いました。
人気ゆえに多くの既存ユーザーを抱えていたため、「あたらしい使いやすさ」と「これまで通りの使いやすさ」がトレードオフになってしまった事例のひとつですが、これは珍しくない失敗例と言えます。既存ユーザーに負担が掛からないように小さなアップデートを繰り返す方法や、大幅リニューアル前にユーザーテストなど十分な検証を繰り返すことなどで対策ができます。
(2) Netflixの価格改定とブランドの分割(2011年)
今や誰しもが知っていると言える程世界的に人気のあるNetflix。Netflixは1997年、ウェブサイトでのDVDレンタルサービスを提供することから始まりました。開業から順調に企業規模を拡大していったものの、2011年にサービスの価格の改定と、ストリーミングとDVDレンタルサービスのブランド分割がきっかけとなり、大きな損失を招く結果となりました。
価格改定とブランドの分割により、ユーザーは「サービスの価値が落ちた」、「ユーザーのための改革なのか」と批判の声をあげました。これにより、Netflixの株価は一時大きく下落しただけでなく、数百万のユーザーがサービスを解約するまでに至りました。
経営戦略や経営方針の転換などでこういった状況になるケースは少なくありませんが、ユーザーからの信頼や評価が高いサービスだからこそ、UXが損なわれると瞬時にユーザーは声を上げ行動に移ることがよく分かります。「顧客満足度」がサービスや事業、ひいては企業そのものの数字部分に直結していることを示している事例のひとつですね。
これらの失敗事例から学べることは、ユーザーが求めていることをキャッチできなかった、もしくは他を優先した結果蔑ろにしてしまったことではないでしょうか。
企業の成長において、企業の利益を増やすことは欠かせないものです。ユーザーの求めることや、ユーザーが使っていて気持ちがいいなどの「ユーザー体験の管理・向上」がどれだけ企業成長に大きな影響を与えているかがわかります。
サービスを利用するユーザーの行動分析と改善、そのサイクルを的確にまわすことで、企業の損失を防ぎ、成長につなげることができます。
アジケでは「UXデザインコンサル」が専門性を持って企業のウェブサイトやサービスの改善をサポートします。
「ユーザーから批判のコメントがある…」「本当にこのサービスは使いやすいものなのだろうか?」などお悩みがある方はぜひお気軽にお問い合わせください。