catch-img

QAが弱いとプロダクトは壊れる〜UI/UXデザインと品質保証の関係〜

QA(品質保証)は「開発だけのもの」だと思っていませんか?

プロダクトをつくるうえで欠かせないのがQA(品質保証)。
しかし、多くのチームでは「バグがないかどうか」を見る開発QAにだけ目が向きがちです。

一方で、「UIがなんとなく使いづらい」「どこを押せばいいか分からない」など、ユーザー体験に関わる品質の“見逃し”は後を絶ちません。
それを防ぐ鍵となるのが、UI/UXデザインの視点から行う“UX QA”です。

本記事では、

  • 開発QAとUX QAの違い
  • UX QAが機能していないデザインの特徴
  • チームで行うQAプロセスの作り方
  • 金融・BtoB領域での注意点
  • AIやツールによる最新QA動向

などを、実務に即した形でわかりやすく解説します。
「気づかなかったミス」でユーザーを離脱させないために、今すぐUX QAを見直してみてください!

目次[非表示]

  1. 1.UX QAとは何か?開発QAとデザインQAの違い
  2. 2.UI/UX品質が損なわれる原因の多くは“見逃し”
  3. 3.QAが機能していないデザインの特徴
  4. 4.チームで実施するUX QAプロセスの作り方
  5. 5.金融・BtoB領域で特に注意すべきポイント
  6. 6.未来のQA:AI・自動チェック・ヒートマップ活用
  7. 7.ユーザー視点での品質が差別化になる
  8. 8.✅次のアクション:今すぐできるUX QAの一歩


▼こちらの記事も合わせてお読みください☺️

  QAとは?デザイン・開発に欠かせない品質保証を解説 QA(品質保証)とは?開発やUI/UXに欠かせないQAの意味や役割、チェック項目、具体例までわかりやすく解説します。 株式会社アジケ


UX QAとは何か?開発QAとデザインQAの違い

プロダクト開発において「QA(品質保証)」という言葉を耳にすることが増えていますが、その中でも特に注目されているのがUX QA(ユーザー体験に関する品質保証)です。

一般的な開発QAがバグや仕様の不備をチェックするのに対し、UX QAはユーザー体験の滑らかさや視認性、使いやすさといった“感覚的品質”をチェックする役割を担います。

種類

チェック対象

主な手法

開発QA

システムの動作、バグ、APIの連携など

テストコード、バグレポート、CIツール

デザインQA(UX QA)

UIの整合性、文言のわかりやすさ、操作性

チェックリスト、Figmaのレビュー、ユーザーテスト

UX QAは「動くけど、なんか使いづらい」という不満を未然に防ぐ重要なステップです。


UI/UX品質が損なわれる原因の多くは“見逃し”

多くのUI/UXの不具合は、意図的なミスではなく“見逃し”によるものです。たとえば次のようなケースがあります。

  • デザインカンプ通りにコーディングされていないが誰も気づかない
  • フォントサイズや行間が画面ごとに微妙に違う
  • アクセシビリティ(視認性や音声読み上げ対応)が考慮されていない

特にプロジェクトが複雑になればなるほど、こうした小さな見逃しが蓄積し、ユーザー体験の品質を大きく損なうことになります。


QAが機能していないデザインの特徴

UX QAが不十分なチームやプロジェクトでは、次のような傾向が見られます。

  • リリース直後からUIの不整合に関する問い合わせが増える
  • 同じような修正依頼が繰り返される
  • 「使いづらい」「分かりづらい」といった曖昧なフィードバックが多い

これらはすべて、リリース前に“ユーザーの目線でのチェック”が抜けていることが主な原因です。


チームで実施するUX QAプロセスの作り方

UX QAは1人で行うものではありません。デザイナー、エンジニア、PMが連携してチェック体制を整えることが重要です。

▼UX QAプロセスの例(チェックリスト形式)

チェック項目

担当

ツール

UIの見た目がFigmaと一致しているか

エンジニア・デザイナー

Figma Inspect

タップ領域が十分に確保されているか(44px以上)

デザイナー

デザインガイドライン

文言に違和感がないか、日本語が自然か

デザイナー・編集者

校正ツール

ボタン・リンクが正しいページに遷移するか

エンジニア

自動UIテスト

色のコントラストがWCAG基準を満たしているか

デザイナー

Waveなどのアクセシビリティツール

このように、UX QAをタスク管理の一部として明文化・標準化することが鍵となります。


金融・BtoB領域で特に注意すべきポイント

金融機関やBtoBプロダクトでは、UX QAの重要性がさらに増します。なぜなら、一つのUIミスが信頼性の損失に直結するから。

▼注意すべきUX QAポイント

  • 数字や用語の誤記:間違いは即信頼喪失につながる
  • 入力エラーのわかりやすさ:法人向けフォームは複雑なので補助UIが必須
  • モバイル・PC両対応:営業担当が使うことも多いため、全端末での検証が必要
  • セキュリティ表示やアイコンの正確性:曖昧な表現は不安感を生む

特に金融業界ではJIS X 8341などのアクセシビリティ指針への対応も求められるケースが増えており、QAの一部として取り入れなければなりません。


未来のQA:AI・自動チェック・ヒートマップ活用

UX QAも進化を遂げています!近年では以下のようなツールやAIの導入が進んでいます。

注目のQAツール・技術

  • Emerge, Visily:UI差分を自動で検出
  • Heatmap分析(Hotjar, Clarity):実際のユーザー行動から改善点を把握
  • ChatGPTやClaudeによる文言チェック:自然な文体・トンマナ統一を支援
  • アクセシビリティ自動検出ツール(axe, Lighthouse):UIコードの問題を即座に表示

これらをうまく活用すれば、人的リソースを抑えつつ、精度の高いQA体制を構築できます💪


ユーザー視点での品質が差別化になる

プロダクトの成否は「バグがないか」だけでは測れません。

  • UIのわかりやすさ
  • 一貫性のあるデザイン
  • 操作性の快適さ
  • アクセシビリティの担保

これらはすべてユーザー視点での品質=UX QAで守られるべきポイントです。

そして特に競合が多い金融・BtoB領域においては、UI/UX品質の高さがそのまま差別化要因になります。


✅次のアクション:今すぐできるUX QAの一歩

  1. 社内で使えるUX QAチェックリストを作成してみましょう
  2. Figmaやヒートマップなど、簡単に導入できるツールを試してみましょう
  3. ユーザー目線でのチェックをチームで実施する体制を整えましょう

QAは、単なる「チェック作業」ではありません。
それは、ユーザーに最高の体験を届けるための最後の砦であり、チーム全体で取り組むべきプロダクト愛の表現でもあります!

どれだけ優れたアイデアや美しいUIを作っても、最後の品質が甘ければ、ユーザーはすぐに離れていってしまいます。
逆に、「ちゃんと使いやすい」「ちゃんと考えられている」と伝わる体験は、ユーザーの信頼や感動を生み出します。

だからこそ、今こそUX QAの視点を取り入れて、チームの品質力を一段引き上げていきましょう。

今日から、あなたのチームでもUX QAを始めてみませんか?


アジケは多数の実績をもとに、Webサイト、金融プロダクトのUI/UXデザインの改善を行なっております!
QAに特化したサービスも提供していますので、お気軽にお問い合わせください☺️

  デザイン会社アジケが品質保証特化型サービス 「QAアシスト」をリリース UXコンサルティング、事業デザイン、UIUX改善などを手がけるサービスデザイン会社の株式会社アジケ(本社:東京都目黒区、代表取締役:梅本周作、以下:「アジケ」)が“品質保証(Quality Assurance)”に着目し、ユーザー体験の専門知識を活かした新サービス「QAアシスト」をリリースいたします。 株式会社アジケ


  お問い合わせ|株式会社アジケ 株式会社アジケへのお問い合わせはこちらから。UXデザイン、サービス開発、イベントに関することなどお気軽にご相談ください。 株式会社アジケ




ajike丨UX Design
ajike丨UX Design
”仕組みのデザイン”をテーマにUXコンサルティング、事業デザイン、UI/UX改善などを手がけるデザイン会社 ▼仕組みのデザインとは? 課題解決や価値創造が、局所的ではなく持続的に循環していくサイクルそのものをつくることです。例えば「DX」も仕組みのデザインのひとつ。教育現場や製造現 場、店舗など多数の場所においてDXの推進等を支援しています。

人気記事ランキング

関連記事


事例をみる