
QAが弱いとプロダクトは壊れる〜UI/UXデザインと品質保証の関係〜
QA(品質保証)は「開発だけのもの」だと思っていませんか?
プロダクトをつくるうえで欠かせないのがQA(品質保証)。
しかし、多くのチームでは「バグがないかどうか」を見る開発QAにだけ目が向きがちです。
一方で、「UIがなんとなく使いづらい」「どこを押せばいいか分からない」など、ユーザー体験に関わる品質の“見逃し”は後を絶ちません。
それを防ぐ鍵となるのが、UI/UXデザインの視点から行う“UX QA”です。
本記事では、
- 開発QAとUX QAの違い
- UX QAが機能していないデザインの特徴
- チームで行うQAプロセスの作り方
- 金融・BtoB領域での注意点
- AIやツールによる最新QA動向
などを、実務に即した形でわかりやすく解説します。
「気づかなかったミス」でユーザーを離脱させないために、今すぐUX QAを見直してみてください!
目次[非表示]
▼こちらの記事も合わせてお読みください☺️
UX QAとは何か?開発QAとデザインQAの違い
プロダクト開発において「QA(品質保証)」という言葉を耳にすることが増えていますが、その中でも特に注目されているのがUX QA(ユーザー体験に関する品質保証)です。
一般的な開発QAがバグや仕様の不備をチェックするのに対し、UX QAはユーザー体験の滑らかさや視認性、使いやすさといった“感覚的品質”をチェックする役割を担います。
種類 |
チェック対象 |
主な手法 |
開発QA |
システムの動作、バグ、APIの連携など |
テストコード、バグレポート、CIツール |
デザインQA(UX QA) |
UIの整合性、文言のわかりやすさ、操作性 |
チェックリスト、Figmaのレビュー、ユーザーテスト |
UX QAは「動くけど、なんか使いづらい」という不満を未然に防ぐ重要なステップです。
UI/UX品質が損なわれる原因の多くは“見逃し”
多くのUI/UXの不具合は、意図的なミスではなく“見逃し”によるものです。たとえば次のようなケースがあります。
- デザインカンプ通りにコーディングされていないが誰も気づかない
- フォントサイズや行間が画面ごとに微妙に違う
- アクセシビリティ(視認性や音声読み上げ対応)が考慮されていない
特にプロジェクトが複雑になればなるほど、こうした小さな見逃しが蓄積し、ユーザー体験の品質を大きく損なうことになります。
QAが機能していないデザインの特徴
UX QAが不十分なチームやプロジェクトでは、次のような傾向が見られます。
- リリース直後からUIの不整合に関する問い合わせが増える
- 同じような修正依頼が繰り返される
- 「使いづらい」「分かりづらい」といった曖昧なフィードバックが多い
これらはすべて、リリース前に“ユーザーの目線でのチェック”が抜けていることが主な原因です。
チームで実施するUX QAプロセスの作り方
UX QAは1人で行うものではありません。デザイナー、エンジニア、PMが連携してチェック体制を整えることが重要です。
▼UX QAプロセスの例(チェックリスト形式)
チェック項目 |
担当 |
ツール |
UIの見た目がFigmaと一致しているか |
エンジニア・デザイナー |
Figma Inspect |
タップ領域が十分に確保されているか(44px以上) |
デザイナー |
デザインガイドライン |
文言に違和感がないか、日本語が自然か |
デザイナー・編集者 |
校正ツール |
ボタン・リンクが正しいページに遷移するか |
エンジニア |
自動UIテスト |
色のコントラストがWCAG基準を満たしているか |
デザイナー |
Waveなどのアクセシビリティツール |
このように、UX QAをタスク管理の一部として明文化・標準化することが鍵となります。
金融・BtoB領域で特に注意すべきポイント
金融機関やBtoBプロダクトでは、UX QAの重要性がさらに増します。なぜなら、一つのUIミスが信頼性の損失に直結するから。
▼注意すべきUX QAポイント
- 数字や用語の誤記:間違いは即信頼喪失につながる
- 入力エラーのわかりやすさ:法人向けフォームは複雑なので補助UIが必須
- モバイル・PC両対応:営業担当が使うことも多いため、全端末での検証が必要
- セキュリティ表示やアイコンの正確性:曖昧な表現は不安感を生む
特に金融業界ではJIS X 8341などのアクセシビリティ指針への対応も求められるケースが増えており、QAの一部として取り入れなければなりません。
未来のQA:AI・自動チェック・ヒートマップ活用
UX QAも進化を遂げています!近年では以下のようなツールやAIの導入が進んでいます。
▼注目のQAツール・技術
- Emerge, Visily:UI差分を自動で検出
- Heatmap分析(Hotjar, Clarity):実際のユーザー行動から改善点を把握
- ChatGPTやClaudeによる文言チェック:自然な文体・トンマナ統一を支援
- アクセシビリティ自動検出ツール(axe, Lighthouse):UIコードの問題を即座に表示
これらをうまく活用すれば、人的リソースを抑えつつ、精度の高いQA体制を構築できます💪
ユーザー視点での品質が差別化になる
プロダクトの成否は「バグがないか」だけでは測れません。
- UIのわかりやすさ
- 一貫性のあるデザイン
- 操作性の快適さ
- アクセシビリティの担保
これらはすべてユーザー視点での品質=UX QAで守られるべきポイントです。
そして特に競合が多い金融・BtoB領域においては、UI/UX品質の高さがそのまま差別化要因になります。
✅次のアクション:今すぐできるUX QAの一歩
- 社内で使えるUX QAチェックリストを作成してみましょう
- Figmaやヒートマップなど、簡単に導入できるツールを試してみましょう
- ユーザー目線でのチェックをチームで実施する体制を整えましょう
QAは、単なる「チェック作業」ではありません。
それは、ユーザーに最高の体験を届けるための最後の砦であり、チーム全体で取り組むべきプロダクト愛の表現でもあります!
どれだけ優れたアイデアや美しいUIを作っても、最後の品質が甘ければ、ユーザーはすぐに離れていってしまいます。
逆に、「ちゃんと使いやすい」「ちゃんと考えられている」と伝わる体験は、ユーザーの信頼や感動を生み出します。
だからこそ、今こそUX QAの視点を取り入れて、チームの品質力を一段引き上げていきましょう。
今日から、あなたのチームでもUX QAを始めてみませんか?
アジケは多数の実績をもとに、Webサイト、金融プロダクトのUI/UXデザインの改善を行なっております!
QAに特化したサービスも提供していますので、お気軽にお問い合わせください☺️