株式会社ローソン銀行では、2021年度から、提供する各種サービスのUI/UXデザイン品質を高めるための取り組みに注力しています。アジケは初期段階からプロジェクトに伴走し、プロセスの体系化や品質向上のために必要な社内の仕組みづくり、具体的なサービスの品質改善などを広く支援しました。
今回はプロジェクトを主導する「UX+(グロース)チーム」のメンバー全員に集まっていただき、ここまでの活動をふりかえっていただくと共に、プロジェクトの現在地と今後の展望も合わせてうかがいました。
ー ※本記事では、プロジェクト内容1〜3にフォーカスしています。4. 社内向けUI/UXデザイン研修支援については、こちらの記事でご紹介していますので合わせてご覧ください。
組織全体でUI/UXデザインの品質向上に取り組む
— はじめに、UX+チームが発足した背景を教えてください。
江口さん
2021年度に会社全体の課題としてUI/UXデザインの品質向上が挙げられたことをきっかけに、2022年から具体的な取り組みについての議論をはじめました。
(ローソン銀行 経営企画部 広報室長 江口 静代さん)
他の大手企業や金融機関なら、専門部署を設置したうえで専任の役員や社員をアサインすることが多いのかもしれません。しかし当行の規模を踏まえると、特定のメンバーがその役割を担うのではなく、組織全体にUI/UXに関する基本的な知見や考え方を浸透させ、業務に携わる社員自身が判断できるようにした方がよいと考えました。
そこで各部署に相談し、メンバーを推薦してもらって社内横断的なチームを立ち上げることにしたんです。そのため、UX+チームにはそれぞれ異なるバックグラウンドをもったメンバーが集まっています。メンバーの半分以上が他部署と兼任している状態ですね。
— 当初、メンバーのみなさんはUI/UXデザインについてどのような意識を持っていましたか?
伊澤さん
このチームメンバーは前職の経験やサービス開発などを通じて、UI/UXデザインの基本的な考え方に触れたことがある人が多いと思います。私自身もそうでした。ただ組織全体にそれを浸透させ、銀行として提供するサービスに落とし込んでいくプロセスの具体的なイメージは、まだ描けていない状態でした。
(ローソン銀行 経営企画部 広報室 チーフ 伊澤 夏子さん)
ー 本プロジェクトを進めるための外部パートナーに、アジケを選んでいただいた理由を教えてください。
小宮山さん
この取り組みがはじまる前に、ちょうど当行サービスに関連するホームページのリニューアルを行っていました。そのときアジケさんにUXに関する分析とアドバイスをお願いし、的確な助言をいただいたんです。
(ローソン銀行 経営企画部 広報室 エキスパート 小宮山 聖花さん)
江口さん
外部パートナーとして何社か候補が挙がった中で、すでにそうしたお取引の実績があったこと、専門的な知見と豊富な経験をお持ちで、私たちに寄り添った形でプロジェクトを一緒に進めていただけるのではないかという信頼と期待感があり、アジケさんにお願いすることにしました。
2023年度はまず、アジケさんから知見を提供いただきながらメンバーそれぞれが自己研鑽を重ね、大枠となるUXプロセスの策定、設定したプロセスの運用、そして社内に向けた啓蒙活動の3つの軸に沿ってプロジェクトを進めていきました。
原(アジケ)
2023年度当初は、チームとしての役割やゴールが明確に見えない状態で、何を軸に、どのように考えて、何に向かっていくのか手探り状態でスタートしました。
組織支援の取り組みは、あくまでメンバーのみなさんが当事者です。何をゴールポイントとするのか、どんな優先度で進めるのか、みなさんで納得感を持って進めていけるよう、一人ひとりが意見を言える環境や方法を意識しました。
チームでゴールを設定し、役割を明確にして、都度認識合わせを行いながら進めることで、徐々にメンバーのみなさんの共通認識が作られていったように感じます。