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使いやすい口座開設フローを作る5つのポイント:金融業界におけるUI/UXデザインの基本


近年、銀行や金融サービスのデジタル化が急速に進み、オンラインでの口座開設が一般的になりました。

主要ネット銀6行の2024年3月期末時点の口座数を集計すると前の期比13%増の4007万口座となり、この5年間で2倍になったという統計もあります。


(日経新聞:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB200RP0Q4A820C2000000/)

しかし、多くのユーザーが口座開設プロセスでストレスを感じ、途中で離脱してしまうケースが少なくありません。そのため、銀行や金融機関にとって、使いやすくスムーズな口座開設フローの設計が重要な課題となっています。

この記事では、金融業界におけるUI/UXデザインの基礎の解説と一緒に、近年増加し続ける「オンザイン口座開設」を顧客自身がスムーズに行っていただくために必要な要素について解説しています📝

◾️デジタル化と顧客ニーズの変化が生む新たな課題

  • スマートフォンからの利用増加:PCではなくスマホから申し込みをするユーザーが増加

  • 競争の激化:デジタルバンクやフィンテック企業との競争が激化

  • ユーザー期待の変化:シンプルで直感的な操作を求めるユーザーが増加

目次[非表示]

  1. 1.第1章:UI/UXデザインの基本とは?
    1. 1.1.UI(ユーザーインターフェース)の定義
    2. 1.2.UX(ユーザーエクスペリエンス)の定義
    3. 1.3.UIとUXの違いと関係性
  2. 2.第2章:口座開設フローにおけるよくある課題
    1. 2.1.情報入力の多さによるユーザーの離脱
    2. 2.2.フォームデザインのわかりにくさ
    3. 2.3.ステップ数が多くて時間がかかるプロセス
    4. 2.4.セキュリティ対策と利便性のバランス
  3. 3.第3章:使いやすい口座開設フローを作る5つのUI/UX改善ポイント
    1. 3.1.ステップ数の最適化
    2. 3.2.視覚的にわかりやすいインターフェース
    3. 3.3.自動入力・リアルタイムバリデーションの導入
    4. 3.4.モバイル対応とレスポンシブデザイン
    5. 3.5.セキュリティを保ちながら利便性を確保する方法
  4. 4.第4章:成功する口座開設フローの事例紹介
    1. 4.1.SMBCのオンライン口座開設フロー
    2. 4.2.みずほ銀行のオンライン口座開設フロー
  5. 5.まとめ
    1. 5.1.銀行口座開設フローにおけるUI/UX改善がもたらすビジネス効果


第1章:UI/UXデザインの基本とは?

UI(ユーザーインターフェース)の定義

UIとは、ユーザーが直接操作する画面やデザイン要素のことを指します。

例えば、銀行のオンライン口座開設ページにおける入力フォームの配置やボタンのデザインがUIに該当します。


UX(ユーザーエクスペリエンス)の定義

UXは、ユーザーがサービスを利用する際の体験全体を指します。スムーズな口座開設体験を提供するためには、

  • ステップが少なく迷わない設計
  • フォームの入力負担を減らす工夫
  • エラーが発生しにくいデザイン が重要な鍵になります。


UIとUXの違いと関係性

UIは見た目のデザイン、UXはそのデザインを通じた体験全体を指します。

見た目が美しくても使いづらいとUXは悪化します。そのため、UIとUXは密接に関係しています。


第2章:口座開設フローにおけるよくある課題

情報入力の多さによるユーザーの離脱

必要な情報が多すぎると、ユーザーは途中で諦めてしまう、つまり離脱となります。


フォームデザインのわかりにくさ

  • 入力欄が小さすぎる
  • ラベルが不明瞭
  • エラーメッセージが分かりづらい など


ステップ数が多くて時間がかかるプロセス

無駄なステップが多いと、当然ですが、ユーザーのストレスが増加します。


セキュリティ対策と利便性のバランス

厳しすぎるまたは複雑すぎるセキュリティ対策がユーザー体験を損ねるケースも考えられます。


第3章:使いやすい口座開設フローを作る5つのUI/UX改善ポイント

ステップ数の最適化

  • 本当に必要な情報のみを入力させる
  • 途中保存機能をつける


視覚的にわかりやすいインターフェース

  • プログレスバーの導入で現在の位置を明確化
    • プログレスバー:長時間かかるタスクの進捗状況がどの程度完了したのかを視覚的・直感的に表示するもの


下部の細長いバー部分(Apple:https://support.apple.com/ja-jp/102675)

  • ステップごとの説明を簡潔に表示


自動入力・リアルタイムバリデーションの導入

  • 住所入力の自動補完
  • パスワード強度チェック


モバイル対応とレスポンシブデザイン

  • スマホでも見やすいレイアウト
  • タップしやすいボタンサイズ


セキュリティを保ちながら利便性を確保する方法

  • ワンタイムパスワード(OTP)の活用
  • 生体認証(指紋・顔認証)の導入


第4章:成功する口座開設フローの事例紹介

SMBCのオンライン口座開設フロー

SMBC(三井住友銀行)は、ユーザーがスムーズに口座開設を行えるように、オンライン完結型の手続きを導入しています。

  • ステップの最適化:必要最低限の情報入力で口座開設が可能。
  • 本人確認の簡易化:スマートフォンで運転免許証やマイナンバーカードを撮影するだけで認証完了。
  • リアルタイムでの進捗確認:手続きのステータスをオンラインで随時確認可能。

これにより、ユーザーの負担を減らし、短時間で口座開設を完了させることができます。


みずほ銀行のオンライン口座開設フロー


みずほ銀行もデジタル化を進め、シンプルで分かりやすいオンライン口座開設フローを提供しています。

  • シンプルなフォーム設計:一画面で必要情報を入力できる構造。
  • 即時本人確認:スマホでのeKYC(オンライン本人確認)に対応し、書類提出不要。
  • アプリ連携の強化:みずほダイレクトアプリと連携し、開設後すぐに取引が可能。

このように、UI/UXの最適化により、口座開設のハードルを下げ、ユーザーのストレスを軽減しています。


まとめ

銀行口座開設フローにおけるUI/UX改善がもたらすビジネス効果

  • ユーザーの離脱率を減少
  • 口座開設完了率の向上
  • 顧客満足度の向上

🧐小さな改善から始めるべき理由は?

大きなシステム変更はコストがかかるため、まずは入力フォームの簡略化やデザイン改善から着手するのがおすすめです。


📝今すぐ見直すべきチェックリスト!
✅ ステップ数は適切か?
✅ 入力フォームはわかりやすいか?
✅ モバイル対応は十分か?
✅ セキュリティと利便性のバランスが取れているか?

UI/UXの改善は、銀行や金融機関にとって競争力を高める重要な要素です。使いやすい口座開設フローを設計し、ユーザー満足度の向上を目指しましょう☺️


アジケでは、銀行・金融業界に特化したデザインサービスを展開しています。

また、口座開設に特化したサービスも公開しておりますので、お気軽にお問い合わせください☎️


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ajike丨UX Design
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”仕組みのデザイン”をテーマにUXコンサルティング、事業デザイン、UI/UX改善などを手がけるデザイン会社 ▼仕組みのデザインとは? 課題解決や価値創造が、局所的ではなく持続的に循環していくサイクルそのものをつくることです。例えば「DX」も仕組みのデザインのひとつ。教育現場や製造現 場、店舗など多数の場所においてDXの推進等を支援しています。