金融業界がおさえておきたい「ユニバーサルデザイン」の基礎
誰もが使いやすい製品やサービスを提供することは、金融業界においても重要な課題となっています。金融サービスは高齢者や障害者、外国人など、様々な背景を持つ人々が利用します。そのため、金融業界はユーザーすべてが利用しやすいよう「ユニバーサルデザイン*」の基礎を理解し、自社のサービスやプロダクトに適用しなければなりません。
しかし、ユニバーサルデザインを適切に取り入れることは簡単ではありません。特に金融業界では、複雑な規制、セキュリティ要件、ユーザーの多様なニーズなど、多くの乗り越えるべき課題が存在します。しかしながら、ユニバーサルデザインの原則を採用し、小さなことからでも実践を積み重ねていくことで、より良い顧客体験の提供につなげることができます。
この記事では、金融業界がユニバーサルデザインを実践するためにはどのようなステップが必要なのか、4つのテーマに分けてご紹介します。
*ユニバーサルデザイン:
ユニバーサルデザインは、全ての人が利用しやすいように設計された製品や環境のことを指します。年齢や能力、性別などに関係なく、誰もが使いやすいと感じるデザインを目指します。
目次[非表示]
1. 分析的リーダーシップ
ユニバーサルデザインは直感やセンスだけでなく、データに基づいた分析的なアプローチが求められます。具体的なユーザーの行動や反応をデータとして捉え、それを分析することで、ユーザーの実際のニーズや問題点を可視化し、分析結果をもとにデザインを改善することで、より多くの人が使いやすいデザインを実現することができます。
2. 部門横断的な協業
ユニバーサルデザインは、一部門だけの取り組みではなく、組織全体での協業が必要です。すべてのユーザーが使いやすいデザインにするためには、多様な視点を取り入れる必要があります。製品開発部門だけでなく、マーケティング、カスタマーサポート、IT部門など、ユーザーのニーズや技術的な観点など、異なる視点を統合することでさらなる顧客体験の向上につながるのです。
また、ユニバーサルデザインは、製品やサービスの一部分だけでなく、「顧客体験全体」を向上させなければなりません。ウェブサイトを訪問したユーザーがウェブサイトのデザインだけでなく、そのウェブサイトをどのように発見し、どのように利用するかといった全体の流れも重要ということです。そのため、各部門が協力し、全体の「最適化」を図る必要があります。
3. ユーザー中心の思考
ユニバーサルデザインにおいて最も重要なことは「ユーザー中心の思考」です。製品やサービスは、全てのユーザーが使いやすいように設計されなければなりません。年齢や性別、身体的な能力、経済的な状況など、ユーザーの多様な背景を理解することでユーザーのニーズを満たし、より良い顧客体験を提供でき、ユーザーとの長期的な信頼関係を構築することができます。
ユーザーとの信頼関係を構築するということは金融業界において特に重要な要素であり、ユーザー中心の思考こそがその基盤となります。
4. 継続的なイノベーション
ユニバーサルデザインは、一度達成すれば終わりではありません。ユーザーのニーズやテクノロジーの進化は絶えず変化するため、デザインもそれに応じて進化し続ける必要があります。時代やニーズに応じた新しいアイデアを試し、改善を怠らないイノベーションの精神が求められます。
ユニバーサルデザインの基礎を理解して実践することで、金融業界は全てのユーザーにとって使いやすい製品やサービスを提供することができます。
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