広告・回遊が最優先なのか?メディアのユーザー体験を向上させるためのサイドカラムの役割
こんにちは、神田です。 サッカーの話が多い私ですが、今日もお付き合いいただけると幸いです。 今日は、「メディアのユーザー体験を向上させるためのサイドカラムの役割」と題しまして、PCにおける情報設計のあり方について考えてみました。
メディアをはしごしなければならない面倒さ
私は日常的に複数のサッカーメディアを閲覧しています。専門メディアだけではなくtwitterでもサッカーの情報を追っています。 ひとくくりにサッカーのニュースと言っても、試合前の考察から、速報、話題のプレー、専門家からのレビュー、サポーターの反応など、ニュースの種類は様々です。 故に一つのメディアだけではカバーできないので、複数のメディアを日常的に観ているというわけです。
サッカーに限らず、経済や政治、芸能のメディアでも同じようにいくつかのメディアをはしごしているユーザーが多いのではないでしょうか。 これは、一つのメディアでは満ち足りていないことの証左といえるでしょう。 今や、メディアの運営会社に所属するライターだけが発信する情報だけでは、ユーザーのニーズを満たすことはできていないと思います。
つまり、事象に対する考察に多様性が足りないのではないかと思うのです。 これだけ様々なメディアがありますから、ある程度は致し方ないですが、ユーザー体験の向上という観点で見ると、ネットメディアの取るべき変化はまだまだありそうです。
私は、一つのニュースに対して、著者の考察だけではなく、特に専門家からの意見を同時に閲覧したいと思ってしまいます。だから、twitterで検索したり、他のメディアをはしごしたりするのです。 ただ、これは面倒です。一つのメディアで完結できれば満足度が上がります。
サイドカラムは広告・回遊のエリア?
日本の多くのメディアは、PCのメインカラムにニュース本文、サイドカラムに広告・回遊枠という構成がまだまだ多いですよね。 これは何年も前からスタンダードな形として残っていますが、必ず守るべきルールではありません。
「だいたいみんなそういう作りだから」
「広告枠は絶対必要だし」
ということで継承されている雰囲気が強いです。
これは必ずしも最適な形ではないと思います。 PCに限った話ですが、私はメインカラムはニュース本文、サイドカラムは「専門家や一般ユーザーからの考察」エリアを設ける形が良いと思います。
一つの事象に対して誰がどういう意見を持っているか気になるので、ニュースに対する感想を載せることでメディアに多様性が生まれ、ユーザーはより深く理解ができると思っています。
海外メディアに目を向けてみると、Rookie.comがメインカラムに本文、サイドカラムに関係者のコメントを掲載していたようです。(現在は閉鎖) 実験的な試みだったと思いますが、私はこの形が満足度を高める一つの形だと感じています。
News Picsが近い
NewsPicsは、近い形になっています。ニュースのタイトルページに、一般人や専門家からの意見が「picks」という形で掲載されており、事象に対する様々な反応や意見を読むことができます。
しかし、意見が掲載されている場所は本文を読む前の記事タイトルページ。詳細ページに言って読むことはできないので、どちらも読もうとすると詳細ページとタイトルページを行ったり来たりする必要があり、手間がかかります。 ニュース本文を読んでいるときでなければ、専門家のコメントを見たところで真意を知ることができません。
私はサイドカラムには、回遊エリアではなくコメントエリアを設けて欲しいと思います。
最後に
PV至上主義から徐々に変化している今、メディアはユーザー体験の向上を目指して形を変えていかなければなりません。 今日はスマホを度外視した話になりましたが、PCにはそのディバイスの強みがあるので、盲目的に「回遊・広告」エリアを設けるのではなく、そのメディアのファンになってくれる最適な形を目指して変化していってほしいと思います。
メディアの成長を考える皆様の一つのヒントになれば嬉しいです。
読んでいただきありがとうございました。 い・じょう!
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