UXのKPIを設定しよう!~ ユーザー体験の定量化ってなぜ必要? ~
インターン生です。 先日社内のUXデザイナーより勉強会が開かれました。 タイトルは「ユーザー体験を定量化するというアプローチ」。
4月に開催されたUX Days Tokyo。その中でKate Rutterによるワークショップ「数値化における問題 : UXにおける目標の計測方法」があり、そこで得られた知見を元に勉強会は進められました。 この記事ではそのUXにおけるKPI設定について紹介します。サービス開発に特に役立つ内容です。
目次[非表示]
- 1.UXを定量化する必要性
- 2.開発におけるUXKPIを定める時期
- 2.1.「ユーザーテスト」との違い
- 3.UXKPIを定めよう
- 4.UXKPIを元に改善を行おう
- 5.まとめ
- 6.参考リンク
- 7.私たちがあなたのサービス開発をお手伝いします
UXを定量化する必要性
UXデザインにおける主な手法と問題点
UXデザインにおける手法というと何が思いつきますか? 「ペルソナ」「UXジャーニーマップ」 こうした「制作する前段階でのユーザー心理を仮定するもの」を思いつく方は多いのではないでしょうか? いずれもwebサイトやサービスを制作する上で重要な手法ですが、それらが成果に直結しているのか?と問われるといかがでしょうか。 もちろん制作する上でのターゲットへマッチする精度は上がると思いますが、それらの分析によって作られた制作物が、実際にユーザー体験を高めているのか。 ここまで確かめている制作者はどれだけの数存在するでしょうか。
UXデザインの目的と、UXKPIを設定する必要性
サービス開発はローンチするのがゴールではありません。
ユーザーに使いやすさを提供し、ビジネス上の目標を達成させることが最終的なゴールです。 公開してすぐ完璧なユーザー体験を達成できるサービスは多くありません。 成功しているサービスの多くが、公開後の分析・改善を繰り返してサービスを成長させています。 その運用時の改善に向けて、「どれだけ良質なユーザー体験を生み出せているか」を定量化し、目に見えるものとするのが今回のテーマです。
開発におけるUXKPIを定める時期
開発の初期段階で設定する
UXKPIの設定は開発の初期段階で行います。 時期としては 「ペルソナ」や「カスタマージャーニーマップ」と同じ。 メリットとしては達成したいユーザー体験を最初に定めることで、サービス自体に計測ポイントを最初から組み込むことができることが挙げられます。 もちろん制作時にもKPIに向かって設計をするため、優れたUXを生み出すサイト制作に役立ちます。
「ユーザーテスト」との違い
運用する中でのユーザー体験を確かめる手法として代表的なものに「ユーザーテスト」が挙げられます。ユーザーの満足度、UIの適切さを測る上で有用な手法です。 しかし、前述した通り今回取り上げるUXのKPI設定はサービスを設計する最初の段階で行うものです。 運用を開始してから、UXを測るためにわざわざ人を集めて、まとまった時間を確保して「ユーザーテスト」を行おう!と意気込むまでもなく、あらかじめ指標と計測方法を定めておくことで、普段から「ユーザーテスト」の役割を果たしてしまう、 それが「UXDにおけるKPI設定」と言えると思います。 ただし測定するのはサービスのUXを左右する最もユーザーに提供したい価値(=キーユース)に限ります。 別途測定したいものが出る場合は「ユーザーテスト」を用いることで解消ができると思われます。どちらが優れているということではありません。
UXKPIを定めよう
「これさえ見ておけば良質なユーザー体験が提供できている」という指標を定めましょう。 ここに今回作成するUXKPIの一例を挙げておきます。
「週3回以上タスクをシェアしたユーザーの割合/月」(タスクシェアアプリのケース) 「購入した上で、15日に1回以上ログインし続けているユーザーの割合」(アパレル系ECアプリのケース)
これらのKPIを設定したならば、この割合を向上させていくことでサービスのユーザー体験を高めていくことができるという仕組みです。 英語の実力を測るTOEICに近いかもしれません。間接的に「●●を達成していれば、▲▲だろう」という指標を定めようということだからです。 UXKPIがどのように導かれるかは、以下の記事をご覧ください。
UXのKPIを設定しよう!~ 4ステップでできる、実践編 ~
UXKPIを元に改善を行おう
繰り返しますが、サービス開発の成長はローンチまでではなく、運用で決まります。 あとは運用する上でこの指標をどのように高めることができるか? これを考えて改善と計測を繰り返していきましょう。 UXのKPIを達成できた時、ビジネス上のKPIと合わせてサービスは着実に成長しているはずです。
まとめ
- ユーザー体験を測るため「これさえ見ておけば良質なユーザー体験が提供できている」という指標を定めよう。
- サービス開発の初期段階でユーザー体験達成の定義を定めよう。必要なら制作の段階で計測ポイントを設けよう。
- より正しくユーザー体験を測ることができる指標を考えよう。
- 指標を作った後は運用で改善、計測を繰り返そう。
参考リンク
参考文献
UX DAYS TOKYO 2015で講師として訪れたKate Rutterのスライドです。 より深く知りたい方はこちらもご覧ください。
関連書籍
さらに多角的に知りたい方向けに、UX計測に役立つ書籍も並べておきます。
・ユーザーエクスペリエンスの測定(情報デザインシリーズ)
・Lean Analytics ―スタートアップのためのデータ解析と活用法 (THE LEAN SERIES)
・Lean UX ―リーン思考によるユーザエクスペリエンス・デザイン (THE LEAN SERIES)
webで関連する内容を検索する場合は、「UXメトリクス」という単語でもUXを定量的に評価するという点で同じような内容が出てきます。
私たちがあなたのサービス開発をお手伝いします
株式会社アジケはUXデザインの手法を用い、Webサイトやサービスを制作するお手伝いをしています。 今回紹介した運用におけるKPI設定と運用時の改善も、私たちにご連絡いただければご相談を承ります。 お困りの事がありましたら、ご気軽にご相談ください。
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