サービスデザインの重要性と活用できる7つの手法を紹介
顧客が商品・サービスを利用することで得られる体験を向上させる考え方として、サービスデザインがあります。
現代社会では、あらゆる商品・サービスが溢れかえっており、単純な質だけでは顧客に選ばれないという課題があります。
競合他社と差別化を図るためには、商品・サービスの付加価値に着目することが大切です。
担当者のなかには、「サービスデザインについて調べている」「サービスデザインの概要や重要性について知りたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
この記事では、サービスデザインの概要や重要性、活用できる手法について詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.サービスデザインとは
- 2.サービスデザインの重要性
- 3.サービスデザインで活用できる7つの手法
- 3.1.①カスタマージャーニーマップ
- 3.2.②サービスブループリント
- 3.3.③ユーザーテスト・ユーザビリティテスト
- 3.4.④ステークホルダーマップ・サービスエコロジーマップ
- 3.5.⑤ペルソナ
- 3.6.⑥ペーパープロトタイプ・モックアップ
- 3.7.⑦ユーザーシナリオ
- 4.まとめ
サービスデザインとは
サービスデザインとは、商品・サービスを通して得られる顧客体験と、それを継続的に実現するための仕組みを設計する考え方です。
顧客体験のみならず、商品・サービスを提供する企業のオペレーションや組織の体制、従業員など、あらゆる要素がサービスデザインの対象です。
サービスデザインでは、顧客が商品を認知するところから始まり、商品購入から廃棄するまでの一連の流れを一つの体験と捉えています。
顧客が商品を購入したら目標達成というわけではなく、その後のメンテナンスやトラブルに対するサポートなど、すべての顧客体験をデザインすることが目的です。
顧客が直接目にすることがない企業側の取り組みや組織の仕組みまでを的確に捉えることで、継続的に顧客ニーズに応えられる運用が実現できます。
サービスデザインの重要性
現代の市場はあらゆる商品やサービスで溢れているため、品質の高さだけでは顧客に選ばれないという課題があります。
顧客の商品・サービスに対する選定基準も厳しくなっており、質の高さに加え、企業の体制やサポートの充実度などの付加価値が求められる傾向にあります。
こういった流れから、商品・サービスを開発する際はユーザー目線を第一に考えるサービスデザインが必要と考えられるようになりました。
企業においては、新規事業の創出や既存事業の課題改善にサービスデザインは有用であり、国内外でもその効果を発揮したという事例があります。
サービスデザインを取り入れることで、社内コミュニケーションの活性化や社内の意思統一につながり、企業にとってもメリットとなり得ます。
サービスデザインで活用できる7つの手法
サービスデザインは顧客目線で考えるだけではなく、さまざまな手法を活用することでより優れた顧客体験を設計できます。
ここでは、サービスデザインで活用できる7つの手法を紹介します。
①カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップとは、顧客体験を一つの旅と捉え、その工程で得られる体験を可視化する手法です。
社内データやリサーチから得た情報を基に、顧客が商品・サービスを認知してから行動するまでの流れや感情の変化を一枚のマップとして整理できるため、一覧性や網羅性に優れています。
顧客が辿る各ステップが明確にできるため、プロジェクト関係者との意見の共有・共通化に有用です。
②サービスブループリント
サービスブループリントとは、商品・サービスが顧客に提供されるまでのプロセスを時間軸に沿って可視化したものです。
顧客の行動はもちろん、現場にいるスタッフやシステムの運営に関わるスタッフなどの行動も含まれており、時系列に沿って作成します。
カスタマージャーニーマップと通ずる部分もありますが、サービスブループリントは顧客と企業、双方の視点を取り入れていることが特徴です。
顧客が直接目にすることがない部分も含めることで、顧客体験を決定する重要な要素が理解でき、人材や資源の活用方法が見つけられます。
③ユーザーテスト・ユーザビリティテスト
ユーザーテストとは、アイデアに基づいた仮説が出た段階で行われ、そのアイデアが顧客に受け入れられるものかを見極めるための手法です。
ワークショップやインタビュー、収集したデータなどを通して活用シーンや課題を事前に顧客に理解してもらうことで、より具体的な結果を得られます。
一方で、ユーザビリティテストは顧客に実際の商品やプロトタイプに触れてもらい、その使いやすさを見極めるために用いられる手法です。
顧客の意見に耳を傾けフィードバックを活用することで、より使いやすい商品・サービスの開発ができます。
④ステークホルダーマップ・サービスエコロジーマップ
ステークホルダーマップおよびサービスエコロジーマップとは、商品・サービスに影響を及ぼす可能性がある利害関係者や、それを取り巻く社会環境を形成する要素を特定するための手法です。
活用することで、商品・サービスに関係する要素の因果関係や価値の流れ、業界や社会に潜む課題やしがらみなど、幅広い慣習を導きだすことができます。
商品・サービスを取り巻く環境を俯瞰して見ることを目的に、作成・活用されます。
⑤ペルソナ
ペルソナとは、ターゲットとなる架空の人物像を設定し、その人物像に合う商品・サービスを考える手法です。
これまでのリサーチから得た情報を基に、氏名や年齢、職業や居住地など、具体的に人物像の設定を行います。
ペルソナを設定しておくことで、ターゲットとする顧客の指針を定めやすくなり、関係者間でのコミュニケーションや意見の共有が円滑に行えるようになります。
⑥ペーパープロトタイプ・モックアップ
ペーパープロトタイプとは、紙で作成された商品・サービスの試作品であり、デザインや機能要件を考える際に活用できる手法です。
試作品は紙で作成されるため、手軽かつ低コストであり、デザイナー以外の関係者も参加して一緒に検討できる点がメリットです。
一方で、モックアップはデザインを活用するための手法であり、完成イメージとして作成したビジュアルを用いて行われます。
完成イメージが客観的に見れるため、デザインのアレンジや課題の早期発見に役立てることが可能です。
⑦ユーザーシナリオ
ユーザーシナリオとは、ペルソナで設定した人物像がどのような期待を抱き、どのように商品・サービスを利用するか予測するための手法です。
顧客体験の始まりから終わりまでの流れを想定し、ニーズを満たすために何を必要とするかを考えます。
顧客の心理や感情の変化に対する理解を深めることで、改善点を抽出する際や検証方法を検討する際に役立ちます。
まとめ
この記事では、サービスデザインについて以下の内容で解説しました。
- サービスデザインとは
- サービスデザインの重要性
- サービスデザインで活用できる7つの手法
サービスデザインを取り入れることで、商品・サービスの付加価値を向上させることができます。
今回紹介した手法を活用することで、より具体的に開発ができるため、顧客のニーズに沿った商品・サービスを提供できるようになります。
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