お客様の声
オムロン株式会社

今回のプロジェクトに携わっているメンバー左から
- イノベーション推進本部 エンゲージメント推進部 主査 中村 愛さん
- アジケ サービスデザイナー 原菜奈美 / 浜野真一

イノベーション推進本部 エンゲージメント推進部 部長 伊藤 星子さん
(※伊藤さんには、インタビューにのみご協力いただきました)

エンゲージメント向上を目指した従業員体験設計をご支援

ご相談の背景(課題)

・従業員のエンゲージメント向上に向け、効果的な施策を打ち出したい
・現状、組織として目指したい「理想の状態」を具体的に描けていないため、「あるべき姿」から逆算した施策が検討できない

プロジェクト内容

1)組織として理想とする従業員体験の定義・可視化
2)具体的なエンゲージメント向上施策の実行支援

成果

・理想の状態が定義できたことで、施策を検討する際に必要となる「軸」ができた
・チームとして、理想の状態を目指すために一貫性のあるアクションができるようになった
電子機器・部品のメーカーとして知られるオムロン株式会社には、事業を通じて社会的課題を解決しよりよい社会の実現を目指すべく、新規事業創出に取り組む専門組織「イノベーション推進本部」(IXI/イクシィ:Innovation eXploring Initiative)があります。アジケでは2023年5月より、従業員のエンゲージメント向上に取り組むために新設されたエンゲージメント推進部のプロジェクトを支援しました。HR領域の課題をUXデザインでどのように解消しようとしたのか、担当者のお二人にお話をうかがいました。


新規事業創出の資源は「人」。エンゲージメント向上のための新たな取り組み


— まずは、エンゲージメント推進部のみなさんが担っている役割について教えてください。

中村さん
2023年4月に組織改編があり、本部署が立ち上がりました。IXIのミッションは、さまざまな社会的課題を解決するための事業を創造することです。それらの新規事業がどのように生み出されるかというと、元になるのは人のアイデアなんですよね。
(中村 愛さん)
一人ひとりのパフォーマンス次第で、未来の事業が形になるかどうかが決まります。ですから最も大切な資産は人=社員であり、その人たちに最大限のパフォーマンスを発揮してもらえる環境を作ることが、エンゲージメント推進部の役割です。それは、これまで人事関連の部署が担ってきた労務管理などとは異なるものです。

— 部署を立ち上げた直後にアジケにお声がけいただきましたが、どのような課題を感じていたのでしょうか?


中村さん
社会課題と向き合い新規事業創出を目指している企業は、当然ながらオムロンだけではありません。そのため私たちは組織として目指すビジョンをしっかり発信し、共感してくれる人を増やしていく必要があります。ただ対外的な情報発信を強化するのと同時に、それが表面的なものにならないよう、社内でもさらに踏み込んだ取り組みが必要だと感じていました。

もちろん組織改編される前も、人事領域の課題に対する施策は多々実施していました。ただ単発のものがほとんどで、長期的な成果を見越した設計や、効果検証が十分にできているとはいえない状況でした。

「従業員=ユーザー」と捉え、UXデザイン専門のパートナーを選んだ


— HR領域に特化した企業はたくさんあると思いますが、そうした会社ではなくアジケにご相談いただいた背景には、どのようなお考えがあったのでしょうか?

伊藤さん
私たちにとって、従業員=ユーザーそのものです。そのユーザー目線に立つことを重視して取り組みを進めていくためには、HRの専門家よりも、UXデザインに長けたパートナーが必要だと考えました。

そうした考えに至ったのには、実は私自身がオムロン社内で辿ってきたキャリアが大きく影響しています。1つは知財部での経験。もう1つは、アジケさんと出会うきっかけにもなった、自社サービスである現場業務のIT化を支援する「pengu(ペング)」の事業開発責任者としての経験です。
(写真左手前が伊藤 星子さん)

— 伊藤さん個人のご経験が元になっていたのですね。


伊藤さん
知財部では、研究開発者の発明を対象に特許戦略を立て、実行していく役割を担っていました。特許戦略の業務は、特許を生み出し、発明を保護するだけでなく、特許の有効活用が求められており、利益を生み事業貢献に至るのは何年も先になるものです。そのため研究開発部門に対して、活動の価値を実感いただき、パフォーマンスを発揮し続ける難しさを感じていました。

その後、事業開発に携わることになり、業務自動化ツールと育成プログラムによる業務改善サービスである「pengu」が生まれました。そのときユーザーの体験設計、UXデザインの必要性を痛感し、20社ほど探して問い合わせた中の1社が、アジケさんでした。

私はその直後にプロジェクトからは離れてしまったのですが、現在のエンゲージメント推進部の課題と向き合うことになったとき、アジケさんにご相談してみようと思ったんです。

参考)アジケが「pengu」のサービスデザインをご支援した事例

プロジェクトの着地点となった「ストーリーボード」


— 最終的に、アジケにご依頼いただく決め手になったのはどんなことですか?

中村さん
正直なところ、当初はご一緒するうえで一定のリスクはあると思っていました。HRの専門家である必要はないとはいえ、「従業員の体験設計」というのはお互いにはじめての試みでしたから。

でも実際にお話しながらプロジェクトの着地点を探っていたとき、アジケさんから提案いただいたストーリーボード(従業員体験を整理したもの)を見て、「今まで私たちに足りていなかったのはこれだったんだな」という納得感が得られたんです。

基本となるストーリーボードがあれば、今後、どのようなアプローチで施策を進めていくにせよ、適切なプロセスをたどれるようになると思いました。
浜野(アジケ)
私たちは確かに人事領域のプロジェクト経験こそありませんでしたが、お話を聞き、アジケが得意とするユーザー体験設計のプロセスに置き換えてご支援できると考えました。

ユーザー体験設計の専門家であるアジケが、従業員を「ユーザー」として捉え、ユーザー目線から、理想の体験を設計するプロセスと最終的なアウトプットを定義する。そして人事領域の専門家であるエンゲージメント推進部のみなさまと、その中身を一緒につくりあげていく進行をご提案しました。
(アジケメンバーの浜野)
伊藤さん
私たちの状況に寄り添った提案をしてくれたことや、エンゲージメント計測についての考え方にすごく共感できたことも大きかったですね。特にスコアリングについて、手法はさまざまありますが、例えば年に1回サーベイを実施するだけですべての課題をフォローできるわけではありません。

アジケさんの提案書にあった「計測するための指標を設計するのではなく、『エンゲージメントが向上した状態』と『道筋』を描き、『それを実行すること自体が、エンゲージメントの向上に繋がる』」という一文、本当にその通りだと思っています。私たちの組織には、まさに今こうした視点に基づいた取り組みが必要だと感じました。


UXデザインのプロセスを、メンバー自ら実施できるよう支援

— 本プロジェクトには2023年5月から着手し、4つのフェーズに分けてそれぞれご支援をしてきました。プロジェクトの実務を担当されていた中村さんは、ほとんどはじめて取り組む業務だったとうかがっています。戸惑いなどはありませんでしたか?

中村さん
私はこれまで、ごく一般的な人事領域の業務に携わってきました。そのためプロジェクトがスタートする前は、本当に自分にできるのか、そもそもどんなゴールを目指すべきなのかなど、漠然とした不安がありましたね。でもアジケさんのお話を聞くうち、プロの方のサポートがあればなんとかなると思えるようになりました。
 2023年5-6月:第1フェーズ

<Onboarding:中途採用者の入社〜独り立ちまでの体験を対象>

 

2023年7-9月:第2フェーズ

<Performance:年間を通した事業成果や個人の成長に関わる体験を対象>

 

2023年10月:第3フェーズ

<Attraction:採用/協業促進を意識した体験を対象>

 

2023年10月〜:第4フェーズ

<定義した従業員体験の運用>

— プロジェクトに取り組む中で、印象に残っていることはありますか?

 

中村さん

やはり、社員にインタビューを重ねながら従業員体験のストーリーボードを作成していったプロセスでしょうか。

 

例えば中途採用の社員が入社した日のアクションの一つに、「朝礼で他メンバーに挨拶をする」というものがあります。一般的な感覚としてもごく当たり前のことに思えますし、今まで私たちも特に疑問を抱いたことはありませんでした。

 

でも今回はそうした従業員の行動一つひとつに対して、「それはなぜ必要なのか?」「本当に必要なのか?」「実行した結果何につながるのか?」という理由や根拠、行動の結果などを問い直していく作業をひたすら繰り返していきました。

 

そのプロセスの中で社員の本音を丁寧に拾っていくと、表には出にくいところで不安に思っていたこと、私たちがよかれと思って実施していたものの、当事者からするとそこまで重要ではなかったことなどもだんだんとクリアになっていったんです。

浜野(アジケ)
中村さんにご担当いただいたのは、UXデザインのプロセスの最初の部分にあたります。従業員のみなさんが本心から求めていることを明らかにしたうえで、どんな体験を提供することが適切なのかを検討していく流れですね。

今回、かなり膨大な数のシーンについて掘り下げていただきましたので、特に中村さんは大変だったのではないですか?

中村さん
考え方や進め方のイメージなど、私が実施しやすい状態になるようアジケさんがサポートしてくれたので、とても動きやすかったです。

従業員インタビューの実施をアジケさんにすべてお願いする選択肢もあったでしょうし、その方が効率はよかったと思います。でも今回の場合は、新たな部署で長期的な従業員のエンゲージメント向上施策に取り組んでいくにあたり、メンバーのマインドチェンジも必要でした。だからこそ、都度宿題を出してもらい、自分たちで試行錯誤しながら進めることに意義があったと考えています。
(アジケメンバーの原)

従業員体験の全体像がクリアになり、チーム内に共通理解が生まれた

— 2023年11月現在、プロジェクトは第4フェーズに入り、継続的な施策の実行、分析、方針定義などのご支援へと移行しています。まだプロジェクトの途中ではありますが、現時点で手応えや変化を感じられていることはありますか?

伊藤さん
まず、そもそものチームメンバーの仕事の取り組み方が変わりました。人事領域で長く働いていたメンバーは、これまで各々が担当する業務が決まっており、それ以外の領域に踏み込む機会がほとんどありませんでした。

今回、エンゲージメント推進部として注視するべき従業員体験の全体像と、目指す理想の状態、そしてそのための道筋が明確になったことで、チームとしてのアクションが取りやすくなったと感じています。自分が担当している業務にとどまらず、前後のステップにも目を向け、改善しようとする空気が生まれています。

中村さん
チームのメンバーと一緒に試行錯誤しながら従業員体験のストーリーボードを作成したので、具体的なエンゲージメント向上施策について議論するときも、常に全体像を踏まえて話ができるようになったと思います。


— 最後に、今回のプロジェクトで取り組んだことを、今後どのように活用していくご予定かお聞かせください。

中村さん
大前提として、今回形にしたストーリーボードを塩漬けにせず、生きたものとして活用しつづけること。そして施策を立案・実施し、その結果をふまえ、タイミングをみて見直しながら更新していく仕組みを作りたいと考えています。

今回、IXI内でアジケさんに支援いただきながら従業員体験設計に取り組みましたが、自分たちだけの成果として留めておくのはもったいないと思っているんですよね。いずれは他の部署などにも、このような取り組みを広げていけたらいいなと思います。

(中村 愛さんとアジケメンバー)

※インタビュー当時2023年11月の状況を掲載しております。

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