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大手企業や金融機関のあらゆるプロジェクトに参画してきたアジケ取締役の神田さん。多数のプロジェクトの経験を通じて培った、『デザイナーから顧客に対しての問いかけ』について、大事なポイントを多数語っていただきました。
――デザイナーが顧客に問いかけるべきタイミングとその意味は?
ポイントは、デザイン作業に着手する前・着手後の2段階に分けて顧客を探ることです。
まず、「着手する前」についてお話しします。この時点でのヒアリングは非常に重要で、ここでのゴールは「本当の課題を見つける」ことです。
――具体的にはどのような問いかけをすべきでしょうか?
よくある失敗のケースは、『顧客がAと言ってるんだからAだろう』というふうに考えて、そのままスタートしちゃうケースです。特に経験が浅い場合、そこからスタートしがちになります。顧客の情報が必ず間違っているという話ではありません。ですが、その情報が絶対の出発点ではなくて、その裏と奥にある『本当の課題』を見つけるべきということなんです。そのために、重要な3つの問いかけがあります。
1つ目は「背景」を聞くこと。
課題が出てきた背景を深掘りし、なぜそのような背景が出てきたのか、の問いを繰り返していくと深度の深い話を聞き出すことができます。
2つ目は「デザインに期待すること」を聞くこと。
ここでは、デザインを通して何を期待しているか、それはなぜなのかを深掘りします。デザインに対して、多分文脈を理解してから自分たちが対応する範囲を確認することがここでの重要なポイントです。“外さないデザインを出す”、“期待を超えるデザインを出す”ためにもすごく重要な問いになります。
3つ目は「期待する成果」を聞くこと。
顧客や企業に課せられたミッションは何なのか、またその先に目指している事業としての成果など、顧客が叶えたい大きな理想を共有していただくことが大事なポイントです。
――デザインに着手した後と最終決定段階では?
この段階では、デザイナーが自分の意見をはっきりと述べつつ、パートナーとしての役割を忘れないことです。
例えば、「A案がいいと思います。なぜなら...」というように、理由をしっかりと説明する。そして同時に、「お客様はどう思われますか?」といった問いかけを持つことで、顧客側の視点も確認します。
デザイナーの意見を言った上で、顧客側の意見を聞くというのは、パートナーとしての視点を持っているからです。デザイナーの視点と顧客側の視点のバランスを取ることが大事なポイントとなります。
――顧客とのコミュニケーションで特に意識していることは?
顧客とコミュニケーションをとる際は、相手の状況に対して共感とリスペクトを持つことを大切にしています。顧客にとって、デザインは全体の中の一部であること、顧客にとっての価値を常に考える必要があることを意識しています。
多くのデザイナーは、デザインのことしか見えなくなりがちです。顧客の事業の全体の中の一部としてデザインを依頼されているということを理解し、そこで顧客を全力でサポートする、そういう役割を果たすことが大切だと思います。
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