
なぜ今“デザインシステム”が必要なのか?チームでのデザインを効率化する仕組みを解説
複数サービスでデザインがバラバラになる理由
企業が複数のWebサービスやアプリを展開する中で、よく見られる課題が「デザインの一貫性の欠如」です。
サービスごとに担当者や外部パートナーが異なると、ボタンの形状や色、フォント、余白の取り方などがバラつきやすくなります。
このような状態は、ブランドイメージの統一性を損ねるだけでなく、ユーザーの混乱を招くリスクがあります。
また、似たようなUIを都度作り直すことで、デザイナー・エンジニア双方の工数が増加し、開発スピードが低下することも少なくありません。
このような背景から、複数プロジェクト間でデザインを効率的かつ一貫して運用する仕組みとして「デザインシステム」の導入が注目されています。
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デザインシステムとは?
デザインシステムとは、UIコンポーネントやスタイル、デザインルールなどを体系的にまとめた「デザインの設計図」です。
単なるパーツ集ではなく、「どのように使うか」「なぜそうするのか」といったガイドラインまで含まれる点が特徴です。
主な構成要素は以下の3つです:
- ガイドライン:ブランドカラー、タイポグラフィ、レイアウト、アクセシビリティなどの基本方針を定義
- コンポーネント:ボタン・フォーム・ナビゲーションなど、再利用可能なUIパーツ群
- デザイントークン:色や余白、フォントサイズなどのスタイルをコードとして管理する仕組み
近年では、デザインツールと開発環境をつなぐ技術も進化しており、FigmaとStorybookを連携させてデザインと実装の差異を最小化するケースも増えています。
日本で公開されている代表的なデザインシステム
デザインシステム導入のメリット
開発スピードの向上
デザインシステムを導入すると、コンポーネントを再利用できるため、ゼロからUIを設計・実装する必要がなくなります。
その結果、新規画面のデザイン・開発が大幅にスピードアップします。
品質の安定化・手戻りの削減
統一ルールに基づいてデザインを構築するため、どのサービスでも同じ品質のUIを維持できます。
修正や仕様変更も共通コンポーネントを更新するだけで反映され、手戻り工数を最小限に抑えられます。
新メンバーのオンボーディングが容易になる
ガイドラインや設計ルールが体系化されているため、新しくプロジェクトに加わるメンバーもスムーズにデザイン意図を理解できます。
結果として、チーム全体の生産性と再現性が向上します。
デザインシステム導入のステップ
ステップ1:現状分析と目的設定
まず、自社のデザイン課題を明確にすることが重要です。
「デザインのばらつき」「更新時の負担」「複数チーム間の非効率」など、具体的な課題を洗い出します。
目的を曖昧にしたまま構築を進めると、運用されない“形だけのシステム”になりやすいため注意が必要です。
ステップ2:小規模スタートでコンポーネントを整理
いきなり全ページを対象にせず、まずは共通で使われているボタンや入力フォームなどのUIを中心に整理します。
Figmaなどのデザインツールでコンポーネント化し、ドキュメント化を進めましょう。
ステップ3:デザインと開発をつなぐ
StorybookやChromaticを活用し、UIコンポーネントを開発環境と連携させます。
デザインと実装の差異をリアルタイムで確認できる環境を整えることで、整合性の高いUIを維持できます。
ステップ4:全社展開と運用体制の構築
一定の完成度に達したら、他プロジェクトにも展開します。
その際、更新ルールや管理体制を整備し、「誰が」「いつ」「どう変更を反映するのか」を明確にすることが重要です。

まとめ:全員が使いやすい“チーム資産”に育てるために
デザインシステムは、作って終わりのものではありません。
継続的に改善・更新し続けることで、初めてチームの資産として機能します。
運用段階では以下の2点が特に重要です。
- 定期的にレビューを行い、最新のデザイン要件に対応させる
- チーム全員が利用しやすい形でドキュメントを整備する
デザインシステムを適切に構築・運用すれば、
デザイナー・エンジニア・ビジネスサイドが共通言語で協働できる組織的な基盤となります。
結果として、より高品質で一貫性のあるユーザー体験をスピーディに提供できるようになるはずです!
アジケでは、金融・サービス業界を中心に、UI/UXデザインの知見を活かしたデザインシステム構築・運用支援を行っています。
FigmaやStorybookを活用した実装までを一貫してサポートし、チーム全体の生産性向上とデザイン品質の安定化を実現します。
自社に最適なデザインシステムを整えたい方は、ぜひお気軽にご相談ください!








