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「デザイン通り」なのに“何か違う”?〜ブランド価値を守る「1pxのこだわり」と再現性の重要性〜

多くのWebサイトが抱える「デザインと実装の微妙なズレ」問題

Webサイトやアプリの品質管理に携わる方なら、一度はこんな違和感を覚えたことがあるのではないでしょうか。

デザイナーが緻密に作り上げたデザインカンプをもとにフロントエンドの実装が完了。しかし、いざブラウザで表示してみると、「なんとなく違う」。大きな崩れはないのに、どこかしっくりこない...

余白が広すぎたり、文字の位置が微妙にずれていたり。そんな「些細な違和感」が、ユーザーにとっては信頼を揺るがす原因になってしまうこともあります。なぜ、このような問題が繰り返されるのでしょうか。

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目次[非表示]

  1. 1.多くのWebサイトが抱える「デザインと実装の微妙なズレ」問題
  2. 2.なぜ「1pxのズレ」は生まれるのか?開発現場のリアルな課題
  3. 3.「神は1pxに宿る」。ピクセルパーフェクトがもたらす3つのビジネス価値
  4. 4.1px単位の再現性を実現するために
  5. 5.【国内企業の取り組み事例:金融サービスのデザイン統一】
  6. 6.フロントエンド実装は、デザインの「翻訳」である

なぜ「1pxのズレ」は生まれるのか?開発現場のリアルな課題

「たかが1px、されど1px」。このズレは、以下の3つの側面から生まれることがほとんどです。

1. 技術的な課題

異なるブラウザやデバイスでの表示差異、そしてPC、タブレット、スマートフォンと多岐にわたるレスポンシブ対応は、意図しないズレを生む大きな要因です。特定のブラウザでは問題なくても、別のブラウザではレイアウトが崩れてしまう。このような予期せぬ挙動への対処は、実装の難易度を高めます。

2. コミュニケーションの課題

デザインデータには、すべての意図が数値として記載されているわけではありません。例えば、余白一つとっても、「なぜこの余白が必要なのか」「どのような意図でこの配置にしたのか」といった背景は、データだけでは伝わりにくいものです。その結果、エンジニアが「これくらい大丈夫だろう」と解釈し、デザインの意図から外れた実装をしてしまうことがあります。

3. プロセスの課題

実装が完了した後のデザインレビューが形骸化しているケースも少なくありません。納品期日に追われる中で、本来時間をかけて行うべき最終チェックが疎かになり、「まぁ、今回はこれで良いか」と妥協してしまうことが、品質低下につながります。

「神は1pxに宿る」。ピクセルパーフェクトがもたらす3つのビジネス価値

「ピクセルパーフェクト」とは、デザインデータと実装されたUIを1pxのズレもなく一致させることを目指す思想です。これは単なる職人技ではなく、プロダクトのブランド価値を最大化するための重要なアプローチです。

1. ブランド信頼性の向上

細部まで作り込まれたUIは、プロダクトやサービスへの深いこだわりと真摯な姿勢をユーザーに伝えます。この積み重ねが、やがてブランドへの信頼となり、競合との差別化を生み出します。

2. ユーザー体験の一貫性

デザインの余白や要素の配置は、ユーザーの視線誘導や操作性を考慮して設計されています。1pxのズレでその流れが乱れると、無意識のストレスを与えてしまうことも。ピクセル単位での忠実な実装は、ストレスのない滑らかなユーザー体験を生み出します。

3. 将来的な開発・運用コストの削減

正確にデザインを再現したコンポーネントは、再利用性が高まります。一度完璧なボタンやフォームを実装すれば、それを別のページや機能でも安心して使い回すことができます。これにより、後の改修や機能追加にかかる手間とコストを大幅に削減し、持続可能な開発体制を築くことができます。

1px単位の再現性を実現するために

では、どのようにすればこの「ピクセルパーフェクト」を実現できるのでしょうか。

まず、デザインデータの作成時からデザインシステムを活用することが有効です。あらかじめ定義されたスタイル(色、フォント、余白など)やコンポーネントを共通のルールとして設定することで、デザイナー間のブレを防ぎ、エンジニアも迷いなく実装を進められます。

【国内企業の取り組み事例:金融サービスのデザイン統一】

多くの金融サービスを展開する三井住友フィナンシャルグループ(SMBCグループ)は、体験の軸を共有するためにデザインシステムを構築。UIパーツを統一するだけでなく、目指すべきデザイン原則を組織全体に浸透させることで、各メンバーが同じ方向を向いて開発を進められるようにしました。これにより、複数のサービスで一貫したユーザー体験を提供し、ブランド全体の信頼性を高めています


さらに重要なのは、デザイナーとエンジニアの密な連携プロセスです。デザインデータの共有だけでなく、「この余白はなぜ必要か」「このアニメーションにはどのような意図があるか」といった背景を直接共有し、互いの専門性を尊重し合うことが、質の高いプロダクトを生み出す鍵となります。

とはいえ、こうした体制を社内だけでゼロから整備するのは簡単ではありません
特に、デザイン意図を正確に理解し、1px単位で実装できるエンジニアを確保することは難しいのが現実です。

ここで、デザイン再現に特化したフロントエンド実装という専門サービスを利用する選択肢も有効です。私たちアジケが提供するサービスは、FigmaやXDなどのデザインデータを1px単位で忠実に再現することを強みとしており、高品質なレスポンシブ対応や、納品後の軽微な修正にも対応しています。社内のリソースだけでは実現が難しい、デザイン意図を完璧に具現化するお手伝いをします。

フロントエンド実装は、デザインの「翻訳」である

優れたフロントエンド実装は、単にデザインをコードに置き換える作業ではありません。それは、デザイナーの意図を正確に読み解き、1pxの誤差なくユーザーに届ける、極めて重要な「翻訳」作業です。この翻訳の精度が、プロダクトの品質を左右し、ひいてはブランド価値を守る盾となります。

もし、「デザイン通りに実装したのに、なぜか違って見える」と感じたことがあるなら、それは、本来あるべき価値がユーザーに正しく届いていないサインかもしれません。

アジケでは、この見えない壁を取り払い、デザイン意図を完璧に再現したフロントエンド実装サービスを提供しています。ブランドの本質をユーザーに届けるために、詳しい相談を希望される方は、ぜひ一度お問い合わせください!

ajike丨UX Design
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”仕組みのデザイン”をテーマにUXコンサルティング、事業デザイン、UI/UX改善などを手がけるデザイン会社 ▼仕組みのデザインとは? 課題解決や価値創造が、局所的ではなく持続的に循環していくサイクルそのものをつくることです。例えば「DX」も仕組みのデザインのひとつ。教育現場や製造現 場、店舗など多数の場所においてDXの推進等を支援しています。

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