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情報設計(IA)とは?UXを支える“見えないデザイン”の基本と改善ポイント

見た目だけじゃない“UXを左右する設計”とは

Webサービスやアプリの見た目を整えるだけでは、ユーザーは「使いやすい」と感じません。

特に情報があふれる現代では、どの情報をどんな順番で、どの階層で提示するかがUXを大きく左右します。

その「使いやすさの土台」をつくるのが 情報設計(Information Architecture / IA) です。

デザインの世界では、UIデザインのように表に見える要素だけでなく、裏側の構造(=IA)が“デザインの基礎体力” として重要視されています。

IAが弱いと、美しいUIを整えても迷いやすく、操作が難しいサービスになってしまいます。

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目次[非表示]

  1. 1.見た目だけじゃない“UXを左右する設計”とは
  2. 2.情報設計(IA)とは何か?UXデザインとの関係
    1. 2.1.● Information Architectureの定義
    2. 2.2.● IAがUIとUXをつなぐ中間領域である理由
  3. 3.良いIAがあるとどう変わる?ユーザー体験への影響
    1. 3.1.● 探しやすいナビゲーション/理解しやすい構造
    2. 3.2.● 金融や大規模サービスでの成功例
  4. 4.IAを設計するための基本プロセス
    1. 4.1.● ① コンテンツ整理(カードソート、サイトマップ設計)
    2. 4.2.● ② ユーザーテストによる情報の優先順位づけ
  5. 5.失敗する情報設計の特徴と改善のヒント
    1. 5.1.● ① 組織目線で構成してしまう
    2. 5.2.● ② コンテンツ量に対して構造が浅い
    3. 5.3.● ③ 改善のためのリサーチ・ユーザーテストの活用法
  6. 6.AIを活用した情報設計、WF(ワイヤーフレーム)作成プロセス
    1. 6.1.● AIでできること
    2. 6.2.● おすすめAI・ツール
  7. 7.まとめ:IAを“継続的に改善する文化”をつくる

情報設計(IA)とは何か?UXデザインとの関係

● Information Architectureの定義

情報設計(Information Architecture / IA)とは、ユーザーが必要な情報に最短距離でたどり着けるように、情報を整理・構造化すること を指します。

具体的には、

  • コンテンツの分類
  • 階層構造の設計
  • ナビゲーションのルール
  • 用語の統一・ラベリング
    などを、ユーザー視点で整えるプロセスです。

● IAがUIとUXをつなぐ中間領域である理由

IAは、UIとUXの“橋渡し”の役割を持ちます。

  • UX(体験):どんな行動をし、どのような感情を得るか
  • IA(構造):行動できるように導くための「構造」
  • UI(見た目・操作):実際の画面やコンポーネント

UXの理想を実現するためには、UIを置く前に情報構造が正しく設計されているかが重要です。

良いUIは、良いIAに支えられて成立すると言えます。

良いIAがあるとどう変わる?ユーザー体験への影響

良いIAを設計すると、UXには次のような変化が生まれます。

● 探しやすいナビゲーション/理解しやすい構造

  • 迷わず目的のページにたどりつける
  • カテゴリ分類が論理的で、一貫性がある
  • 初めてのユーザーでも操作方法が推測しやすい
    IAが正しいと、情報探索のストレスが減り、サービス全体の体験が滑らかになります。

● 金融や大規模サービスでの成功例

特に、金融アプリやEC、大規模WebサービスなどでIAは大きな効果を発揮します。

たとえば…

  • 銀行アプリ:口座管理、入金、振込、資産運用など、複雑な情報を“直感的に理解できる構造”に整理
  • ECサイト:膨大な商品をカテゴリ・属性・フィルタで整理し、検索しやすい
  • 行政・医療系サイト:専門的で複雑な情報をユーザーの目的別に導く

複雑さが増すほど、IAの重要性は高まります。

IAを設計するための基本プロセス

情報設計は感覚ではなく、ユーザー行動にもとづいて進める必要があります。

代表的なプロセスは次のとおりです。

● ① コンテンツ整理(カードソート、サイトマップ設計)

まずは、サービスに必要な情報をすべて洗い出し、ユーザーの視点で分類していきます。

  • カードソート:ユーザーにカードを分類してもらい、自然な情報のグルーピングを把握
  • サイトマップ設計:得られた構造をもとに、階層や遷移を設計

“企業内部の分類”と“ユーザーが理解しやすい分類”は違うことが多く、カードソートはそのギャップを見つけるのに役立ちます。

● ② ユーザーテストによる情報の優先順位づけ

ユーザーテストでは次のような問いを確認します。

  • 重要な情報は上の階層にあるか?
  • 認知負荷が高い部分はどこか?
  • ナビゲーションの理解に詰まっていないか?

ユーザーが“どこで迷うか”を把握し、情報の優先順位を再整理します。これにより、構造の精度が大きく向上します。 

失敗する情報設計の特徴と改善のヒント

● ① 組織目線で構成してしまう

企業内部の部署やプロジェクト単位で情報を分類してしまうケースはよくあります。

しかしユーザーは組織構造を知らないため、理解しにくいナビゲーションになります。

常にユーザーの目的から逆算する構造 に変更することが必要。

● ② コンテンツ量に対して構造が浅い

情報量が多いのに階層が少ない場合、1ページの情報量が増え、ユーザーが迷いやすくなります。

適切な深さの階層設計(3階層〜4階層など)と、用途に応じた構造化が大切。

● ③ 改善のためのリサーチ・ユーザーテストの活用法

  • ファーストクリックテスト
  • ツリーテスト
  • コンテンツ分析
  • 競合リサーチ

これらを継続的に行うことで、“企業側の論理”と“ユーザーの理解”のズレを発見できます。

AIを活用した情報設計、WF(ワイヤーフレーム)作成プロセス

近年はAIツールを活用することで、情報設計のスピードと質が向上しています。

● AIでできること

  • カテゴリ分類の自動生成
  • サイトマップ案の作成
  • ユーザー行動モデルの推定
  • 文章のラベリング統一
  • ページ構造の草案生成
  • ワイヤーフレームの自動作成(Figma AI など)

● おすすめAI・ツール

  • ChatGPT / Claude:ユーザーシナリオ生成、情報構造案の生成
  • Figma AI:ページレイアウトやWFの自動生成
  • Whimsical / Miro AI:サイトマップやフローチャート生成
  • Optimal Workshop:カードソートやツリーテストの解析

特に初期段階の構造案はAIで大量生成し、人間のデザイナーがユーザー視点から評価することで、スピードと品質を両立できます。

まとめ:IAを“継続的に改善する文化”をつくる

情報設計は一度作って終わりではありません。

ユーザーのニーズ、サービス内容、競合環境は常に変化します。そのため、

  • 定期的なユーザーテスト
  • IAの見直し
  • チーム全体での情報整理のルール化
  • コンテンツ運用プロセスの整備
    といった “継続的に改善する文化” を組織内につくることが欠かせません。

IAは見えない領域ですが、UXの質を根底から支える、もっとも重要なデザイン活動の1つです。

良い情報設計を行うことで、ユーザーにとって迷いのない、ストレスのない体験を届けることができます。

ユーザー体験を根本から改善するには、情報設計(IA)の見直しが欠かせません。

「どこから手を付ければいいかわからない」「現状の課題を整理してほしい」という方は、ぜひお気軽にご相談ください!

専門チームが、御社サービスに最適なIA改善案をご提案します。

ajike丨UX Design
ajike丨UX Design
”仕組みのデザイン”をテーマにUXコンサルティング、事業デザイン、UI/UX改善などを手がけるデザイン会社 ▼仕組みのデザインとは? 課題解決や価値創造が、局所的ではなく持続的に循環していくサイクルそのものをつくることです。例えば「DX」も仕組みのデザインのひとつ。教育現場や製造現 場、店舗など多数の場所においてDXの推進等を支援しています。

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