Ver.18
デザイナーとして1mm成長するためのおすすめ行動

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 ▼本記事の話者プロフィール

  神田 淳生(かんだ・あつお)

 🎓 経歴・略歴
  関西学院大学 総合政策学部 卒業(2003‑2007)
  卒業後、デジタルエージェンシーにWebデザイナーとして入社
  2008年:株式会社アジケにウェブデザイナーとしてジョイン
  2015年:マネージャー就任
  2018年:UXデザイン事業部取締役に昇格
  2022年:デザイン組織開発支援事業部の取締役に就任
 💡 スキル・専門領域
  UI/UXデザイン:ブランドサイト、Web・アプリ設計のプロジェクトリード多数 
  組織向けデザイン支援:組織内のデザイン体制構築、人材育成プログラム『Dods』開発 
  デザインシステム構築:大手金融機関向けにデザインシステム導入をリード

 

普段、さまざまなデザイナーの方々と一緒に仕事をする機会がありますが、「このデザイナーさんはこれからもっと伸びるだろうな」と感じる方がいます。その人たちにはいくつかの共通点があります。

今回は、神田さんが実際に見てきた中で「いいな」と感じた、デザイナーとしてほんの1ミリでも成長するために実践してほしい3つの行動についてお話を伺いました。

 



担当者にとって面倒なことをお願いする

まず一つ目は、担当者にとって面倒なことをお願いすること。 デザイナーは企画担当者やプロジェクトマネージャー(以下、PM)など、さまざまな人と協力してプロジェクトを進めていきますよね。

チームの一員として、PMの指示に忠実に従うあまり、自分の意見や「やりたいこと」をちょっと抑え込んでしまう方が結構多いなと感じています。

ただ、ここで一歩踏み込んで、「これをやりたいんです。デザインのクオリティを上げるために、ちょっと面倒かもしれないですけど、お願いします」と言えるデザイナーはすごく伸びる可能性を秘めています。

以前、あるサイト制作の案件で、企業イメージキャラクターを使いたいと提案したデザイナーがいました。キャラクターを使うには許可取りが必要で、担当者は手続きの手間を考えて、少し足踏みしていたんです。

しかし、そのデザイナーは「このキャラクターを使えれば、ブランドらしさが格段に増し、サイトがもっと良くなります。ぜひ使いたいです」と熱意を伝え、担当者に許可取りを依頼しました。

最終的にどうなったかはさておき、自分の意見をしっかり主張し、それがプロジェクト全体の価値向上につながるなら手間を惜しまないという姿勢は、担当者にとっても頼もしく映るはずです。

この行動は、単なる自己主張ではありません。プロジェクトの目的を深く理解し、その達成のために自分はどうすべきかを考えている証拠です。

 

別の意見を言われたからといって簡単に譲らない

二つ目は、別の意見を言われたからといって簡単に譲らないこと

デザインの最終決定権はPMにあることが多いですが、だからといってPMや他のメンバーの意見を全部聞くのが正しいわけではないと思うんです。あなたはデザインのプロフェッショナルとしてプロジェクトに参加しているのですから、それ相応の役割と責任があります。

色々な人から「こうした方がいい」「もっとこうしてほしい」という意見が出るのは当然です。ただ、それらを全部そのまま取り入れてしまうと、デザインに一貫性がなくなって、バラバラな印象になってしまうリスクがあります。

デザイナーは、「なぜこのデザインが良いのか」という意図を明確に説明し、簡単に譲らない姿勢を持つことがすごく重要です。

そうすることで、PMはデザイナーを単なる作業者ではなく、デザインの専門家として信頼して、「この人なら任せられる」と思ってくれるようになります。 この姿勢は、お互いの信頼関係を築き、より良いプロジェクトの進行につながるはずです。

 

会議中・会議後のストーリーを想像しておく

三つ目は、会議中・会議後のストーリーを想像しておくことです。 デザイナーはデザイン案の作成や資料準備をきちんと行います。しかし、そこからもう一歩進んで、「この提案をしたら、どんなフィードバックが返ってくるだろうか」「どんな議論が起こりそうか」「その結果、プロジェクトはどう進んでいくか」といった、会議の先の展開を想像しておくことが重要です。

これは、デザインでユーザーの行動を仮説立てることと似ています。ユーザーがどう感じるか、どう行動するかを想像するように、会議の参加者や進行状況を想像するんです。これを習慣化すると、自分が想像したストーリー通りに会議が進むことが増えてきます。すると、自然とプロジェクトをスムーズに進めることができるようになります。

この行動には、3つのレベルがあると思っています。

 

  • レベル1:ストーリーを想像する
    • まず、会議の先の展開を想像する癖をつけましょう。
  • レベル2:ストーリーに沿った資料を用意しておく
    • 想像した展開に合わせて、議論をスムーズに進めるための資料や成果物を事前に用意しておきます。
  • レベル3:ファシリテーションを行う
    • 最終的には、自分が用意したストーリーに沿って、会議全体をコントロールできるようになります。みんなで議論するべきところは議論しつつも、次にやるべきことが明確になるよう、自分で会議の流れを作れるようになるんです。

  


最後に

これまでお話しした3つの行動は、一見「面倒くさい」と感じるかもしれません。しかし、これらを実践する人としない人では、今後の成長に大きな差が生まれます。

多くの事業責任者やPMは、指示されたことだけをこなす人ではなく、一歩踏み込んでくれるデザイナーを求めています。

彼らは、あなたがプロジェクトやプロダクトを自分ごととして捉え、真剣に考えてくれていると感じたいんです。「言われたものを作る」という線をちょっと超えてくる行動は、信頼を築き、あなたの価値を大きく高めてくれます。

ただし、一つだけ注意点があります。 これらの行動は、あくまでもプロジェクトの目的達成のために行うべきということ。

自己満足や傲慢な態度では、かえって反感を買ってしまうことになります。 

重要なのは、「相手が見ているものと同じものを見る」という姿勢です。PMや事業責任者が何に困っていて、何を求めているのかを想像し、それを解決する手段としてデザインを提案する。このバランス感覚が、あなたのデザイナーとしての成長を加速させてくれるはずです。



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