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「UXデザインとは何をすることなのか?」というシンプルでありながら奥深いテーマについて今回は、執行役員に就任した原さんに語っていただきました。
「UXデザインって何するの?」という問い。実はこの問い、初学者だけでなく、業界歴の長い人でも、答えるのが意外と難しいものです。
日々、社内外からのUXデザインの手法やアウトプットに関する質問も、実は本当に多いんです。ペルソナとかカスタマージャーニーマップとか、その“作り方”や“使い方”について訊かれる。ですが、本質はそこではありません。
UXデザインは特別なことではなくて、サービスを誰のために、何のために作るのかという情報を整理・可視化・構造化する作業だと考えています。
ペルソナやジャーニーマップも、結局そのための手段であって目的ではない。目的は、“使われるもの”や“喜ばれるもの”をつくること。そのために、使う人の姿や状況を見えるようにして、正しい方向に進む手がかりをつくっているんです。
この視点は、UXデザインに携わる全ての人にとっての出発点であり、同時に立ち戻るべき原点と言えます。
では、そもそもなぜUXデザインが必要なのでしょうか?多くのプロジェクトで「今、なぜこのタイミングでUXデザインが必要なのか?」という疑問が投げかけられます。
新しいサービスをつくるとき、あるいは既存のサービスを改善するとき、目的があって始めるわけですが、それが本当にユーザーにとって必要なものかどうかを確かめる作業って、実はすごく重要です。それをやらないと、「誰のためにもならないサービス」を生み出してしまう。そうならないために、誰のために何を作るのかを明らかにしていく工程が必要です。
この「誰のために、何を」への立ち返りこそがUXデザインの根幹。その作業があってこそ、プロダクトは正しい方向に進み、結果として無駄な開発コストや、ユーザーの不満を回避することができます。
UXデザインに取り組む企業や担当者から、よく寄せられる質問のひとつに「UXデザインの成果って、どう評価するの?」というものがあります。難しい質問です。ペルソナをつくったらUXデザインが成功した、というわけでは当然ありません。
本質的には、届けたい相手にちゃんとサービスが届いたか。手に取ってもらえたか、使いやすいと思ってもらえたか。そういった“体験の設計”がうまく機能したかどうかで判断するべきだと思います。
営業だったら契約数とか金額で評価できるけど、UXは“因果関係はなくても相関関係はある”っていう世界です。レポートを見ても、数値化するのが本当に難しい分野だと思います。
つまり、UXの成果は単純なKPIではなく、プロダクトの利用状況、改善サイクル、ユーザーの声、継続率といった多面的な指標から総合的に捉えるべきものであるということです。定量評価が難しい分、関係者全員の理解と合意形成が何よりも重要になります。
では、UXデザインをまだよく知らない人に対して、「UXデザインって何?」と問われたとき、どう答えるのが適切なのでしょうか。
サービスを使う人のことを理解して、その人が置かれている状況や目的を整理していく作業です。そして、それに基づいて、使いやすく、喜ばれる体験をつくる工程だと説明するようにしています。
抽象的な理論ではなく、実際にどう役立つのかを伝える。それがUXデザインへの理解を深め、現場での実践にもつながります。
UXデザインはツールや手法の話にとどまらず、「サービスを使う人へのまなざし」そのものであるということです。
この問いに真正面から向き合い、丁寧に情報を整理していく。そのプロセスが結果として、より良いサービスとユーザー体験を生み出すのです。
UXデザインは、単なるスキルではなく、サービスづくりの根本を支える考え方。その本質を忘れずに、日々の業務に取り組みたいものです。
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