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▼本記事の話者プロフィール
原 菜奈美(はら・ななみ)執行役員/サービスデザイナー/デザインコンサルタント
🎓 経歴・略歴
2014年:アジケへUIデザイナーとして入社
2022年:デザイン組織開発支援事業部の立ち上げ、サービスデザイナー/デザインコンサルタントに就任
2025年:執行役員に就任。金融業界を中心としたUX支援体制の強化と、パートナー型での業務設計支援を主導
💡 スキル・専門領域
UI/UXデザイン:ブランドサイト、Web・アプリ設計のプロジェクトリード多数
組織向けデザイン支援:金融企業向けのUIUX研修や社内組織デザイン教育も担当
新規事業開発:「0→1」の立ち上げ支援からプロダクト開発まで包括的にマネジメント
今回は、「デザイン会社のプロジェクトマネジメントで重要なこと」をテーマに、現場で実際に起きている変化や気づきについて話したいと思います。
このテーマを選んだ理由は、大きく3つあります。
一つ目は、業務提携先であるソニックムーブ社のマネージャー・リーダーの方々との座談会を実施し、プロジェクトマネージャーの役割や必要なスキルについて議論する中、「みんなが同じところで悩んでいる」「同じような感覚を持っている」という点が強く印象に残ったこと。
二つ目は、社内でリーダー層向けに実施したプロジェクトマネジメントに関するワークショップ。プロジェクトマネージャーの役割や業務範囲について、自分自身もあらためてインプットする機会になったこと。
そしてちょうど今年の10月から新しいプロジェクトが複数立ち上がったこともあり、実務の中で「やはりプロジェクトマネジメントは重要だ」と再認識するタイミングが重なったことが、今回あらためて整理しておきたいと思った背景です。
デザイン会社の案件には、必ず以下のような制約があります。
それでも「成果を出さなければならない」。つまり、プロジェクトマネージャーの仕事とは整っていないカードで勝負し続けることです。
完璧な条件が揃うことはありません。
だからこそ、与えられた制約条件をどう“やりくり”して、ゴールへ近づけていくか。それが本質だと考えています。
実務に活かせるフレームワークとして、私は次の9つの観点をそのまま案件に取り入れています。
これは机上の理論ではなく、実際の案件でチェックリストとして活用しています。
特に効果が高かったのは、この9項目を「誰がどの観点を主に担うか」をプロジェクト開始時に明文化したことです。
以前は「なんとなく気づいた人がカバーする」文化がありました。
よくある状態としては、
ベテランが無意識にフォローし疲弊
という状況です。
9つの観点を明文化してからは、
という変化が起きています。
9項目すべて大事ですが、デザイン会社において特に重要だと感じているのは次の3つです。
デザイン案件は、最初から成果物が明確でないケースが非常に多いです。
この変化を前提として設計しないと、納期遅延や炎上の原因になります。
リスクは「発生してから考える」ものではありません。
起こりそうな前提で動く力が求められます。
これらを“察知して事前に手を打つ”ことが、PMの力の差になります。
デザイン会社にとって、最終成果物の品質は絶対だと考えています。
社内だけでなく、クライアント・開発会社・エンドユーザーまでを見据えた品質担保が必要です。
よくある誤解として、”プロジェクトマネージャー = すべてを一人で管理する人”というイメージがありますが、これは現実的ではありません。
私は現在、
と 9つの観点を分担しながらプロジェクトを運営しています。
ただし重要なのは、
というバランスです。
プロジェクトマネジメントは派手ではありません。成果物として見える部分も少ない仕事です。
しかし現場にいると痛感します。
PMの質は、プロジェクトの成否に直結する。
スケジュールでもなく、ツールでもなく、「やりくり力」こそがプロジェクトマネジメントの本質ではないのかなと。
もし、以下のような課題を感じているなら、一度体制の見直しを検討してみてください。
私たちは、金融・業務系・UI/UX領域の複雑なプロジェクト設計を数多く支援してきました。
単なる制作会社ではなく、「設計」「体制構築」「プロジェクト進行そのもの」を含めた支援が可能です。ご相談・ご相談見積りはお気軽にお問い合わせください☺️
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