Ver.17
マネージャーに重要な素質とは

“この記事はポッドキャストの内容を編集しています。
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 ▼本記事の話者プロフィール

  原 菜奈美(はら・ななみ)執行役員/サービスデザイナー/デザインコンサルタント

 🎓 経歴・略歴
  2014年:アジケへUIデザイナーとして入社
  2022年:デザイン組織開発支援事業部の立ち上げ、サービスデザイナー/デザインコンサルタントに就任
  2025年:執行役員に就任。金融業界を中心としたUX支援体制の強化と、パートナー型での業務設計支援を主導
 💡 スキル・専門領域
  UI/UXデザイン:ブランドサイト、Web・アプリ設計のプロジェクトリード多数 
  組織向けデザイン支援:金融企業向けのUIUX研修や社内組織デザイン教育も担当 
  新規事業開発:「0→1」の立ち上げ支援からプロダクト開発まで包括的にマネジメント

 

今回のテーマは、マネージャーに求められる重要な資質について。

特に、プレイングマネージャーとして活躍する方が直面する課題と、それを乗り越えるためのヒントについて、執行役員の原さんにお話を伺いました。

 



マネージャーに求められる2つの資質

ここでいうマネージャーとは、組織の中でグループを統括したり、責任者として組織のミッションを追いかける人たちのことです。その役割から、「常に時間に追われ、膨大な案件を抱えている」というイメージを持つ方も多いかもしれません。

私たちのような30〜100人規模の会社では、プレイヤーとしての実務もこなしつつ、マネジメントも担う「プレイングマネージャー」がほとんどです。正直、とても忙しいですよね。私も他社のマネージャー交流会に参加すると、案件数や部下の多さに驚くことがよくあります。

特にデザイン業界では、自らも手を動かすプレイングマネージャーとして、組織のミッションを追いかけるケースが多く見られます。目の前の案件業務に追われながら、同時に組織全体の目標達成にもコミットしなければならない。まさに時間との戦いです。

ただ、その忙しい日々のなかでも成果を出し、組織を成長させるためには、いくつかの重要な素質が必要だと感じています。今回は、私の経験から言語化した大切な資質を2つご紹介します。

 

1. 有言実行

マネージャーに最も重要な資質の一つは、「有言実行」です。

役職に就くということは、何かしらの成果を出すことが求められているということです。成果主義というわけではありませんが、組織のミッション達成に直結する結果を出す責任があります。

もし役職者が成果を出せていない状態が続けば、組織の成長が停滞したり、何らかの問題が発生しているサインだと捉えるべきです。だからこそ、「これをやります」と決めたことに対して、最後までやり切る実行力が非常に重要になります。

もちろん、追っているミッションは難しいものが多く、必ずしもすべてがうまくいくわけではありません。ですが、そのハードルをどう乗り越えるか試行錯誤を重ねて、最後までやり遂げた人は、やはり強い。会社は、それができると見込んだ人にこそ、役職を任せるんだと思います。

 

2. 組織ミッションへのコミットメント

有言実行と似ていますが、もう一つ重要なのが「組織ミッションへのコミット」です。

プレイングマネージャーは、どうしても目の前の案件や業務に追われがちです。

ですが、マネージャーの最も重要なミッションは、組織の目標を達成することにあります。この目標に対し、どれだけ意識を高く持ち、自分の行動の優先順位を上げられるかが重要なんです。


・人を動かす視点とチーム機能の向上

組織ミッションを達成するためには、自分一人で全てを抱え込むのではなく、「チームを機能させる」ことがポイントになります

メンバーを巻き込み、彼らが最も力を発揮できる環境をつくること。自分だけで全てをやろうとするのではなく、「どうすればこのプロジェクトがうまく進むか」「どう伝えればメンバーが動いてくれるか」といった、人を動かす視点を持つことが求められます。

「人に任せる」ことと「丸投げ」はまったく違います。丸投げは、自分がやるべきことをやらずに、ただメンバーに仕事を振ること。これでは相手が動けなくなってしまい、結局、組織全体の業務が滞ってしまいます。そうではなく、「誰が動けば一番成果への速度が上がるか」という仮説を立て、やるべきことと任せることのバランスをしっかりと見極めることが重要です。

私自身、執行役員に就任してからこの重要性を強く実感しています。以前は言葉の意味を頭では理解しつつも、具体的な行動に移せていませんでした。ですが、今年に入ってから組織図の再構築や役割分担の見直しを行い、メンバー一人ひとりが組織ミッションに紐づいて動けるような仕組みを整えた結果、数字にも表れ、チーム全体が機能していることを実感しています。

 

・長期的な合理性

マネジメントでは、短期的な視点と長期的な視点を両立させることも大切です。

たとえば、目の前のタスクをひたすらこなすことは、短期的に見れば合理的かもしれません。しかし、長期的に見ると、本当に重要な「組織としての成長」や「キャリア戦略」を疎かにしてしまうことにもなりかねません。短期的な成果に囚われず、長期的な視点で物事を捉えることが重要です。

これはデザイナーに当てはめて考えると分かりやすいです。「AIがデザインを代替するから、もうFigmaは触らなくてもいい」と考えるのは、長期的に見て不合理ですよね。AIに置き換えられるとしても、良いデザインとは何かを自分の手で知っておくことが、将来の大きな財産になります。


最後に

これからマネージャーやリーダーになる方々は、「何が変わるんだろう」「自分に何ができるんだろう」と不安に思うかもしれません。

ですが、今回お話した「有言実行」と「組織ミッションへのコミット」を意識して行動することで、きっと新しい視点が身につくはずです。

そうすれば、やがて自分なりのマネージャー像が見えてくるはずです!ぜひ、怖がらないで新しい役職に挑戦してみてください!



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