お客様の声
株式会社三井住友銀行

今回のプロジェクトに携わっているメンバー左から
- アジケ UI/UXデザイナー/マネージャー 藤戸日果里
- ライフシフト・ソリューション部 上席部長代理 髙橋 雄治さん、部長代理 藤田 駿平さん
- アジケ 取締役 神田淳生

新規サービス開発〜デジタルマーケティングまでご支援

ご相談の背景(課題)

・「人生100年時代」における社会課題を解決するサービスの開発を検討している
・アイデア発散の段階から伴走し、UXデザインの観点からプロジェクトを支援してほしい

プロジェクト内容

1)シニアをメインターゲットとした新規サービスの開発支援
2)LPなどを含む各種制作物の企画・デザイン
3)認知度向上のためのデジタルマーケティング実行支援

成果

・新サービスが無事に形となり、メインユーザーとして想定していたシニアに加えて、現役世代の顧客およびサービスを案内する行員からも高い評価を得ている
株式会社三井住友銀行(以下、SMBC)から、2021年10月に提供が開始された新サービス「SMBCデジタルセーフティボックス」。アジケは2019年より、本サービスの開発プロジェクトに参加。アイデア発散段階から、販促のためのデジタルマーケティングまで長期間に渡って支援しました。今回はプロジェクト担当者のお二人に、改めて当時をふりかえっていただきました。

■「SMBCデジタルセーフティボックス」とは
資産状況や医療・介護・葬儀に関する希望、各種パスワードなどの情報を登録・保管できるデジタルサービス。登録した情報は、相続発生等の条件に応じて、あらかじめ情報の受取人として設定した三親等内の親族に伝達することができ、親族による相続手続時の財産把握等の負担を軽減することにもつながる。 https://www.smbc.co.jp/kojin/digital-safetybox/



サービス提供開始から2年。行内外で高い評価を得ている


— 本サービスの提供がはじまってから約2年が経過していますが、現時点での手応えはいかがですか?

 

髙橋さん
利用していただくお客さまは堅調に増えており、行内でも「情報管理」や「もしものときの備え」といった、お客さまの困りごとに対応できるサービスとして定着しつつあります。

今は当行の「Olive」など、銀行口座や資産管理についてもネットでの取引が主流になってきていますので、ID・パスワードなどのデジタル情報も含めて管理できることに、利便性を感じていただいているようです。また、同様のサービスは他にも数多くある中、サービスの提供主体が銀行である点も、安心感につながっていると思います。

 

藤田さん
非金融サービスですので、今まで銀行が提供してきたサービスとは性質が異なりますが、窓口でお客さまにサービスを案内する行員からも、前向きな評価をもらっています。Oliveをご案内するタイミングでID・パスワードなどデジタル情報の話題に触れることも多く、そのときにこのサービスをご案内すると、大変喜んでいただけるようです。

また、登録した情報をもしものときに家族に伝えることができる機能も、ノートや紙で準備するよりも、書き直しの手間や紛失する心配がなくてよい、と好評いただいています。

(藤田 駿平さん)

— 改めて、「人生100年時代」をテーマとした新規サービス開発に取り組むことになった経緯と背景を教えてください。


髙橋さん
「人生100年時代」「LIFE SHIFT」などの言葉が広まりはじめた2018年頃、さまざまな社会課題やお客さまの新たなニーズを受けて、「我々はこれらの問題とどのように向き合うべきか?」という問いに、グループ全社で取り組むことになりました。本部と営業店からさまざまなメンバーが集まり、大きなプロジェクトチームが立ち上がりました。

そのメンバーがさらに5-6人ずつの分科会に分かれ、それぞれ異なる課題・テーマについて議論をしていくことになりました。その一つが、私たちのプロジェクトです。

「人生100年時代」といわれる今の時代において、お客さま一人ひとりの人生をサポートしていくためには、金融の垣根を超えるべきではないか。資産管理や円滑な相続継承を行うためのサービスが、これからは必要とされるのではないか——。

この課題を解決するため、お客さまの資産をお預かりしている銀行として、我々がサービスを作るのが一番いいのではないかと考えました。

新規サービス開発に、伴走してくれるパートナーを探していた


— プロジェクトがスタートした直後、2019年3月時点でアジケにご相談いただきました。パートナーはどのように選定されたのでしょうか?

髙橋さん
課題は明確で、ある程度のサービスイメージはありましたが、私たちはゼロからサービス開発を行うこと自体がはじめてでしたので、着実に形にするためには伴走してくれる専門のパートナーが必要だと考えました。
そこでSMBC内のインハウスデザインチームに相談したところ、アジケさんを紹介されたのです。

神田(アジケ)
当時、私たちがちょうどインハウスデザインチームのみなさんとご一緒しはじめた頃でした。

 

(SMBC様とアジケメンバー)

— 他にも候補となった会社はありましたか?


髙橋さん
今回、複数の会社の比較検討はしませんでした。最初の段階でアジケさんと何度かお話をして、サービスを一緒に開発していくパートナーとして最適だと感じました。そのままプロジェクトに参加していただき、スタート直後は週に2-3回、結構長いミーティングにお付き合いいただいた記憶があります。

神田(アジケ)
ゼロイチで新規サービスの開発に携わる機会は少ないので、当初は私たちも、自分たちの役割をどのように果たしていくか、試行錯誤しながらミーティングに参加していました。

髙橋さん
ほとんど知見がない中で、最初からアジケさんに参加していただいたのは本当によかったと思います。早い段階で、何からどのように着手すべきか、プロジェクトの全体像を掴むことができました。


— アジケのメンバーに、金融業界の知見が十分にあったわけではありませんでしたが、その点について不安はありませんでしたか?

髙橋さん
今回は逆に、金融業界やサービスに対する固定観念がなかったのがプラスに働いたのではないでしょうか。

特にSMBCではここ5-6年、新しいものを生み出す機運が高まっていて、メンバーの意識が大きく変わっています。5年前の感覚でいると、もう周りについていけないくらいなので、客観的な外部の視点こそ、大切だったと思います。

綿密なユーザーテストを繰り返し、サービスの設計を進めた


— 本サービスを開発するにあたり、メインユーザーとなるシニアのお客さまと、窓口でサービスを案内される行員のみなさん、双方にどのような配慮をしましたか?

藤戸(アジケ)
ターゲットユーザーを設定し仮説を立て、その人たちにどのような価値を提供したいのか、コア体験を達成するために必要なことは何か、一つひとつ検証していきました。
そして、コンセプトに沿ってデザインを2パターン作成し、それぞれユーザーテストを重ねていきました。

神田(アジケ)
今回はユーザー向けと行員のみなさん向けに、それぞれ3回ほどユーザーテストを実施しています。ここはかなり細かく、丁寧に設計してテストを行いました。

髙橋さん
利用者の客観的な声を聞くことができたことは、行内での合意を得ていくための強い根拠にもなりました。またテストを重ねていただいた結果だと思いますが、窓口の行員やお客さまから、操作性について特筆するような意見が届いたことはありません。スムーズにご利用いただけていると思います。

(髙橋 雄治さん)

ー 今回はサービス開発だけではなく、各制作物の企画・デザインや、デジタルマーケティングの実行もお手伝いしました。プロジェクトを通して印象に残っていることはありますか?

藤田さん
私はデジタルマーケティングに取り組むのがはじめての経験だったので、基本的な知識をインプットするところからお世話になりました。次に新しいサービスを開発するときに活かせる知見やノウハウを提供いただいたと思っています。

ただ知識を詰め込むだけではなかなかうまくいかないと思いますが、実際のプロジェクトを進めながら実行する経験ができたのはとても良かったですね。


「あってよかった」と、心から感じてもらえるサービスを目指して


— 現在、運用フェーズにある「SMBCデジタルセーフティボックス」について、今後の展望を聞かせてください。

藤田さん
もっと多くの方にご利用いただくための、仕組みや環境を作りたいと考えています。加えてすでにご利用いただいているお客さまにも、もっと有効にご活用いただくための仕掛け、働きかけを検討していく必要があると考えています。

利用者数も大事なのですが、それ以上に「このサービスを利用して良かった」と、その価値を感じていただけるサービスにしていきたいですね。お客さまの声に耳を傾けながら、これからもアップデートしていく予定です。

髙橋さん
このサービスは登録していただくことがゴールではなく、大切なのは“その先”です。例えば実際に利用者の方に相続が発生した際に、ご家族の方が「このサービスがあってよかった」と思っていただくシーンが増えていけばいいなと思っています。

相続や終活については、「どうやって準備をしたらよいかわからない」という方も多くいらっしゃいます。このサービスは、デジタルだからこそ、気軽に少しずつ準備を進めていくことができますので、もっと多くの方に利用していただき、お客さまのお困りごと・心配事がひとつでも多く解消できるように、サービスを進化させていきたいです。

※インタビュー当時2023年11月の状況を掲載しております。

この事例の該当サービス

Applicable service

0→1 創出フェーズ

事業開発支援

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