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新規事業におけるMVP開発の進め方とは?メリットデメリットも解説


目次[非表示]

  1. 1.MVP開発とは?
    1. 1.1.リーンスタートアップから生まれたMVP開発
    2. 1.2.MVP開発では何を検証するのか
  2. 2.MVP開発の具体的な方法
    1. 2.1.マーケットニーズ検証型
    2. 2.2.価値検証型
  3. 3.MVP開発の誤解と、デメリット
    1. 3.1.MVP開発の誤解
    2. 3.2.MVP開発のデメリット
  4. 4.まとめ


MVP開発とは?

MVPは「Minimum Viable Product」の略で、直訳すると「最小限の実用的な製品」。新しい製品やサービスを開発する際に、最小限の機能や特徴だけを持ったプロトタイプを作成し、それを市場に投入する手法を指します。
MVP開発は、新規事業開発におけるリソースが限られている場面において効率的に市場のニーズを掴み、サービスを成熟させていくためのアプローチとして有効ないち手法として、スタートアップ企業や新規事業を立ち上げる企業に採用されています。
今回は、MVP開発について解説していきたいと思います。


リーンスタートアップから生まれたMVP開発

MVP開発の概念は、スタートアップがもつ特性やリーンスタートアップの手法から生まれました。

伝統的なビジネスモデルでは、製品の開発に多くの時間とリソースを投資してから市場に投入するアプローチが取られていました。しかし、この方法では市場のニーズを見誤るリスクが高く、大きな投資が無駄になる可能性がありました。
スタートアップの場合、限られたリソースと時間の中で迅速に市場に適応する必要があります。この状況では、従来のビジネスモデルのアプローチは適していません。

またスタートアップは、サービスの開発や市場投入に関するリスクを最小限に抑える必要があります。MVPは、最小限の機能を持ったプロトタイプを早期に市場に投入することで、市場の反応をいち早く確認し、リスクを低減するための手法として考えられました。


MVP開発では何を検証するのか

MVP開発を通じて検証する主な仮説は、以下の2つに分類されます。

◾️価値仮説
価値仮説とは、『このサービスは顧客にとってこういった価値がある』という仮定です。つまりMVP開発では、顧客がそのサービスを利用することで得られる利益や解決される問題を明確にし、自分たちが構想する新規事業・サービスが「本当に顧客がお金を支払いたいもの(サービス)なのか」、「顧客はその価値に対し継続してお金を支払いたいと考えるか」を検証し、評価します。

◾️市場仮説
市場仮説の検証では、その新規事業・サービスが成功しうる市場が本当にあるのか、或いは適切な市場はどこにあるのか等を検証、評価します。
想定していた市場に顧客のニーズが存在しないパターン、また特定の顧客のニーズはあるものの同じ課題を抱えている顧客がいない、少ない可能性もあります。そこで、市場仮説を通して、顧客の反応やニーズの量を事前に確認することができます。

上記の仮説を検証することで、新規事業やサービスの方向性を明確にし、市場における製品やサービスの位置付けを理解することができます。また、これらの仮説の検証を通じて、製品の改善点や新たな市場機会を見つけることも可能になります。


MVP開発の具体的な方法

MVP開発を実施するにあたっての具体的な方法はその目的によって異なり、大きく2つのカテゴリーで分けることができます。


マーケットニーズ検証型

市場の規模やユーザーのニーズを確認することが目的な場合に用いられます。
具体的な手法としては以下のようなものが考えられます。

  • ランディングページ:プロダクトを作る前に、サービス利用者向けのページを作成。ページには顧客の課題や提案価値、プロダクトの特徴を記載する。
  • デモンストレーション動画:プロダクトを作る前に、動画でユーザの課題や、解決後の状況や解決方法を説明する。
  • カスタマーリサーチ: プロダクトを作る前に、必要事項をまとめてユーザからフィードバックを取得。ランディングページと同様の内容や、ユーザーがプロダクトを使用した際の行動などを記載するのが一般的。


価値検証型

ユーザーの課題を本当に解決できるものなのかを検証するためのアプローチです。
具体的には、

  • コンシェルジュ(人力): プロダクトが担うべき役割を人力で代替し、顧客にプロダクト同等の価値を提供する。
  • オズの魔法使い(人力+プロトタイプ): 人力とプロダクトを組み合わせて価値を提供する。顧客が触れる部分をプロトタイプが作成し、裏では人力で処理をするのが一般的。
  • 競合利用/組み合わせ: 競合のプロダクトや、世の中のサービスを組み合わせて、顧客に使用していただき、フィードバックを取得。
  • モックアップ(ペーパプロトタイプ): ユーザが触れる部分のみを作成し、動かない状態でユーザーからフィードバックを取得。Figmaなどのデザインツールで作成するのが一般的。
  • プロトタイプ:動くプロダクトを作成し、動かない状態でユーザからフィードバック取得。

上記の方法を適切に活用することで、ユーザーのニーズや市場規模など、プロダクトやサービスの価値を効果的に検証しつつMVP開発を進めることができます。


※MVP開発において気をつけたいポイント
ここまで、細かい内容をお伝えしてきましたが、肝心なことはシンプルに顧客の要求を満たす機能を設計することです。つまり、過剰な機能は避けること!
以下のことに気をつけながらシンプルな設計を目指しましょう。


①目的を明確にすること
MVP開発を始める前に、検証したい事柄を明確にすることが大事。これにより、MVP開発の結果に基づいて新規事業開発全体のステップを決めていくことができるので、無駄なコストや行動を回避することができます。
また、仮説を立てることで問題点が明確になり、必要な機能に絞って迅速かつ低コストでサービスやプロダクトを市場に投入することが可能になります。

②低コストを意識しつつ、人力作業を行う
MVP開発は、顧客から直接フィードバックを得ることがとても重要なポイントになっています。顧客のニーズを文脈から理解し事業の改善に繋げるためには、初期段階では外部に委託せず、自分たちで直接顧客とのコミュニケーションを図る必要があるでしょう。そうすることで、コストを抑えつつも価値ある洞察を得ることができます。

③期限を設定する
MVP開発と検証には明確な期限を設けましょう。構想から比較するとプロトタイプは機能が不足していると感じるかもしれませんが、期限を設定することで、開発や準備のコストを抑え、迅速なローンチを実現することができます。期限内に開発や検証を完了させることをルールとし、効率的に作業を進めましょう。


※新規事業においてMVP開発を行うデメリット・向かないケース
新規事業を立ち上げる際、MVP開発はリスクを低減し、市場反応を早く把握できるメリットがありますが、一方でMVP開発についてはよく誤って理解される点やデメリット、また向かないケースも存在します。


MVP開発の誤解と、デメリット

MVP開発の誤解

MVP開発は「サービスのコア機能を完成させるものだ」と思っている方が多くいらっしゃいます。または反対に「とにかく素早く小さくつくることだ」「サービスやプロダクトを早く世の中に出すための方法だ」という理解です。
忘れてはいけないのは、MVP開発の目的は『顧客の顧客が何を求めているのかを素早く知ること』であるということです。それを検証しうる形や方法を考え、小さな規模で試す。そして仮説が間違っているとわかったのであれば、それを事業構想に反映していく動きが重要です。


MVP開発のデメリット

MVP開発が一概にすべての新規事業開発やサービスの開発に適しているとはいえません。


◾️開発コストが高い製品やサービスは向かない場合がある
MVP開発は、機能の実装や検証準備に多大な時間や労力が必要なプロダクトやサービスでは、開発の負担が大きくなります。得られるフィードバックより開発コストが大きくなってしまってはMVP開発によるメリットが得られません。
もし、高い開発コストが予想されるプロジェクトでMVP開発を行う場合は、MVP開発について経験豊富な人材とともに行うことで、デメリットを軽減することができるでしょう。

◾️MVP開発の目的とフィードバックのバランスを保つことが難しい場合がある
MVP開発では、顧客のフィードバックを積極的に取り入れることが推奨されますが、過剰になりすぎると、当初の開発目的を見失ったり逸脱するリスクがあります。顧客の要望に応えることは大切ですが、MVP開発はあくまで手段であり、最終的な目標は新規事業やプロダクトやサービスの成功です。そのため、フィードバックは慎重に評価し、プロダクトやサービスのコンセプトに合致するかどうかを考慮しながら、必要に応じて大胆な方針変更も視野に入れる柔軟性が求められます。重要なのは、フィードバックの背後にある本質的なニーズを理解し、それを事業の改善に賢く活用することです。


まとめ

新規事業開発をどのように進めていけばよいか悩む方が多くいらっしゃるかと思います。顧客のニーズや市場においての価値を検証する方法は様々ありますが、MVP開発もその中のひとつの方法であり、新規事業の成功への第一歩となる場合もあるでしょう。
新規事業開発の出発点では顧客と市場を深く理解し、適切な機能と品質を見つけていく必要があります。MVP開発は、単にプロダクトやサービスを早く市場に投入するための手段ではなく、顧客や市場との対話を通じて最適な事業・サービスを創出するプロセスということです!

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ajike丨UX Design
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”仕組みのデザイン”をテーマにUXコンサルティング、事業デザイン、UI/UX改善などを手がけるデザイン会社 ▼仕組みのデザインとは? 課題解決や価値創造が、局所的ではなく持続的に循環していくサイクルそのものをつくることです。例えば「DX」も仕組みのデザインのひとつ。教育現場や製造現 場、店舗など多数の場所においてDXの推進等を支援しています。