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少人数のデザインチームが抱える課題と成長のための3つのポイント

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こんにちは、アジケでサービスデザイナー/デザインコンサルタントをしています、マネージャーのハラです。
私が担当しているデザイン組織開発支援事業部は、デザインの力を必要としているすべての企業さまに向けた「デザイン組織作り」と「デザイナー育成支援」をメインで行っている事業部です。

今回は、少人数のデザインチームのデザイナーの皆さまが多く抱える課題と成長のためのポイントについて書いていきたいと思います。


目次[非表示]

  1. 1.少人数のデザインチームのあるある課題
    1. 1.1.【課題1】  担当する案件の状況に左右され、伸ばしたいスキルの成長機会がない
    2. 1.2.【課題2】 先輩デザイナーがおらず、フィードバックを受けることができない
    3. 1.3.【課題3】 教育制度がなく、自己学習での限界を感じている
  2. 2.デザイナーが成長するために重要な3つのポイント
    1. 2.1.現在値を自己分析する
    2. 2.2.目指すべき状態と行動を具体化する
    3. 2.3.行動するための成長機会を自ら作る
    4. 2.4.それでも悩んだら...


少人数のデザインチームのあるある課題

・担当する案件の状況に左右され、伸ばしたいスキルの成長機会がない

・先輩デザイナーがおらず、フィードバックを受けることができない

・社内にデザイナー用の教育制度がなく、自己学習での限界を感じている


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【課題1】  担当する案件の状況に左右され、伸ばしたいスキルの成長機会がない

デザインは「誰かの課題を解決するための手段」です。そのため、必ずしもデザイナー自身がスキルアップをするために経験したい案件や内容を選ぶことは難しいかと思います。

今まで弊社が支援させていただいたデザイナーの方々も共通して同じ悩みを抱えておりました。
例えば、画面のUIデザインの案件が多い企業さまでは、デザイン5層の抽象レイヤーである構造デザイン、ユーザー体験デザイン、戦略デザインの領域は経験する機会が少なく、スキルを伸ばすことが難しいという状況です。


デザイナーの役割は日々変化しており、求められるスキルセットや領域も広くなっています。
キャリアの方向性は様々ありますが、より本質的な課題からデザイナーとして活躍されたい方に多いお悩みです。


【課題2】 先輩デザイナーがおらず、フィードバックを受けることができない

こちらも少人数のデザインチームに多いお悩みです。
デザイン会社ではなく、デジタルサービスを事業として開発/運営されている企業さまでは、デザイナーの人数が最小限である傾向が見られます。

その場合、デザインチームのマネージャーは必ずしもデザイナー出身ではなく、デザイナーのアウトプットに対してフィードバックを行ったり、スキルアップのためのマネジメントに悩まれている管理職の方も多く見られます。
また、同様に現場のデザイナーの方もご自身のアウトプットに対してフィードバックをもらえない環境に不満を抱えている場合があります。


デザインは専門性が高い領域と捉えられがちで、デザインに関することはデザイナーにすべて任せてしまっている場合もあり、デザインの品質を上げるための仕組みがない企業さまも多く見られます。
また、経験のあるデザイナーが抜けてしまい、ジュニアのデザイナーで対応しなければいけないという状況も大変多いお悩みです。


【課題3】 教育制度がなく、自己学習での限界を感じている

デザイナーとしてのスキルアップに意欲の高い方は、プライベートでオンライン学習やワークショップへの参加、書籍でのインプットなど、積極的に学習されている方も多く見られます。
そういった方たちに多いお悩みとして「知識として知っているが、実践でその知識を有効に活用できない」という課題です。


デザインに限らず、学習をしてインプットした情報(知識)は、アウトプット(実践)をすることで初めて自分のものになります。逆に、アウトプット(実践)を繰り返さなければ、「できる」状態にはなりません。
課題1、2にも関連しますが、多くのデザイナーの方は「知識」として十分にインプットを行っていますが、アウトプットができておらず、またそれに対して改善(フィードバック)を行うことができていない状況に悩まれています。
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デザイナーが成長するために重要な3つのポイント

現在値を自己分析する

在籍している組織にデザイナー向けの評価制度がなく、ご自身のデザインスキルを把握できていない場合、まずは自己分析をしてみましょう。
自己分析の観点はUXデザイン5層の「表層/骨格/構造/要件/戦略」の5つをスキルとして捉えて評価します。
UXデザイン5層の1つ1つの階層のデザインを深く理解した上で、ご自身が経験として行ったことがあるもの、知識としてインプットがあるものなど、自分がどの階層のスキルに強みがあり、どこに不足があるのかを明らかにします。
自分自身で分析することは難しい側面もあるかと思いますが、まずは自分がどのような状態なのかを「言語化できること」が重要です。



目指すべき状態と行動を具体化する

自分がどんなデザイナーになりたいのか、どのようなデザインを行いたいのか、目指すべき状態(目標)を言語化します。
まだデザイナー歴が浅い場合や特定領域の業界やデザイン経験のみの場合、なかなかご自身のキャリアとしてどういったデザイナーになりたいのかを具体化することが難しい場合もあるかと思います。
その場合は、まずは1年後ぐらいの状態を想像し、今担当しているプロジェクトやデザイン領域から、自分がどのような状態になっているべきかを想像してみます。
そこから逆算を行い、半年後や3ヶ月後など想像しやすい直近の未来をイメージし、そこに向けて必要な行動を具体化していきます。
いきなり遠い目標に対してアクションを出すことは難しいかと思いますので、まずは3ヶ月や半年後など中間目標のようなものを立てて、今自分がやるべきことを整理していきます。


現状を明確にした上で最終目標との距離を把握し、中間目標を設定


行動するための成長機会を自ら作る

課題1で書いたように目標を立てたけれど、それを実行するための機会に恵まれず悩まれている方もいるかと思います。
状況によっては自分が思ったやり方や役割を担うことが難しいのは現実としてあります。
ただ、デザイナーとしてスキルアップをしていくためには自らその状況を変えていくための行動を起こすことが重要です。

例えば、UXデザインを取り入れてサービスをデザインしたいけれど、任されているのは画面のUIデザインなど、自分が任されている役割を無視してUXデザインを行うことは難しいでしょう。
ただ、UIデザインを行う上で、根底となるのはユーザー体験です。もし、あなたの案件にユーザー視点やユーザー体験の観点が抜けているのなら、画面のデザインを行う際にデザイン5層の「構造」「要件」「戦略」を意識してデザインを行ってみましょう。


例えば上記のような問いに答えられるデザインになっているかチェックしてみましょう


デザインを表面的なもので終わらせないように「このサービスを必要としている人はどんな人だろう?」「どんな欲求や課題があり、どんな体験を望んでいるのだろう?」という問いに答えられるようにします。
UXデザインには、ペルソナやジャーニーマップなど多くのフレームワークがありますが、そのフレームを作ることが重要なのではなく、「届けたい相手」をしっかり理解する過程を踏むことが重要です。

また、組織内部のデザインリテラシーが高くなく、デザインに関することはすべてデザイナーに任されている状況であれば、チームで議論ができる場をデザイナー自身が設けたり、ペルソナやジャーニーマップなど議論の軸(誰のためのデザインか)を明確にしながら、チーム全体でデザインについて議論ができる状況を作っていく働きかけも非常に重要です。



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今回は、少人数のデザインチームのデザイナーが抱える課題と成長のためのポイントを中心にご紹介しました。
デザイナーとしての成長のためには、外発的な課題を成長のハードルとして嘆くのではなく、内発的に自分自身の役割や環境を客観的に理解した上で、プラスアルファの動きを自ら行っていくマインドセットと行動力が必要です。


それでも悩んだら...

今回ご紹介した課題と成長ポイントは、ご自身で解決&実行していくことが理想的ではありますが、実行することのハードルや難易度が高いものでもあります。
そんな課題を抱えている方たちに向けて、デザイン組織開発支援事業部はDodsというサービスを提供しています。


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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!

Nanami Hara
Nanami Hara
デザイン組織開発支援事業部のマネージャーです。 東京都出身、神奈川県在住です。 2014年に株式会社アジケに入社。WEBデザイナー、UI/UXデザイナーを経て、現在はサービスデザイナー/デザインコンサルタントとして、デザイン機能を必要としている企業さまに向けたデザイナーの人材育成やデザイン思考のワークショップなどを行っています。