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体験中心のデザインに納得。最終的に全デザイン改修をお願いしました

東京電力エナジーパートナー株式会社

リビング事業本部 中村 剛 様

東京電力エナジーパートナー株式会社の新規事業「ペットみるん」に、ajikeはプロジェクトのデザイン改善のタイミングより参画しました。「ペットみるん」は自宅にカメラを設置し、外出先からアプリを通してペットの様子を見守る、AI搭載の最先端ペット見守りサービスです。

今回、開発が進んでいる中、ajikeが参画に至った経緯や、当初の一部のデザインのご依頼からアプリ全体のデザイン改修のご依頼に至った理由、実際のプロジェクトのプロセス、そして今後の構想についてお伺いしました。


 

当初は開発優先だったが、よい体験をつくるにはデザインの力が必要だった

ー まず、「ペットみるん」について教えてください。

 

中村さん

「ペットみるん」は外出先から自宅にいるペットをリアルタイムに見守ることができるサービスです。犬や猫にお留守番をさせて外出しなければいけない時ってありますよね。夏の暑い日に出かければ、ペットが水をちゃんと飲んでいるのか気になるものです。自宅にカメラを設置しアプリと連携させることで、ペットの姿を見ることができます。

「ペットみるん」は単発的なサービスではなく、将来的にはペットの「遠隔医療」といったサポートにつなげるなどインフラとして育てていきたいと考えています。

 

ー 日中、仕事をしているとペットと過ごせる時間は限られてしまいますよね。「ペットみるん」によって離れていてもペットと一緒にいることを感じられますね。「ペットみるん」の強みはなんでしょうか?

 

中村さん

ディープラーニングの技術を用いて、ペットだけが写る部分を1分以内の動画に切り出しています。また、「ペットみるん」はリアルタイムに飼い主さんにペットの様子を伝えられるところも特長です。ペットの見守り用に作られたカメラは多いのですが、動きのあるもの全てをとらえてしまうものも多くあります。そのため、ペットの様子をピンポイントに見ることができません。

動画を1分以内にしたのは、FacebookやInstagramが1分以上の動画をアップできないためです。長い動画を短い動画に編集するにはスキルや手間がかかり、飼い主さんによっては負担になってしまいます。ですので、動物がカメラに映る部分のみを1分以内で動画に収めるようにしました。

 

ー 「ペットみるん」は、始めは御社と開発会社の2社からスタートしたプロジェクトで、ajikeが参画したのは途中からでしたね。ご依頼のきっかけはなんですか?

 

中村さん

最初は、開発を担当する企業にデザインもお任せしていました。デザインを決めるプロセスとしては「これがいい」より「これじゃないよね」と、消去法で整理していく流れでしたね。当初は開発が優先でしたので、デザインの優先度は低かったんです。

開発が一区切り付いたところで、ユーザーに心地よく使ってもらうためにデザインをアップデートしていくことにしました。その際、ajikeさんにまずチュートリアルのデザインをご相談したんです。今思えば、初めからajikeさんにお願いしていたら、もっとスムーズにできたのかもしれませんね。

  

ユーザー体験を起点としたデザインプロセスに期待感じた

ー 既に進行していたプロジェクトの途中からajikeが参画することに、なにか不安に感じられたことはありませんでしたか?

 

中村さん

率直に、不安を感じたことはありませんでした。「ペットみるん」は、ただ見た目がきれいなだけではなく「ユーザー体験を中心に考えたデザイン」を必要としていました。まずはサービスの使いにくさを克服するためにチュートリアルの追加をお願いしていたのですが、ajikeさんからはUXデザインのプロセスを取り入れるご提案がありました。ユーザー体験を起点とした論理的な考え方に納得することができましたね。

 

ー そうですね、当初は、チュートリアルやロゴ、シンボルなど表層的なデザインのご依頼でしたが、本質的な課題の発見にはUXデザインのプロセスの導入が必要だと感じたのでご提案しました。中でもサービス定義を行うことでチーム内での共通認識が持てるようになった印象があります。サービス定義を行ってみて、どう感じられましたか?

 

中村さん

1年以上サービスについて議論する中で、人によってサービスに対する認識の違いが生まれていました。サービス定義を行い、ユーザーに届けたい価値を明文化することで、ようやく腑に落ちました。
  

 

ー UXデザインやチュートリアルなどの提案を終えて、さらにアプリ全体のデザインの改修やブランドガイドラインの作成までご依頼いただきましたが、その経緯はどのようなものでしょうか?

 

中村さん

これは私たちからお願いしました。より良いソリューションを出してくれると感じたからです。例えば「このペルソナにはこういう欲求があるので、ここはこのUIにしましょう」といったユーザー起点のプロセスは、心地よい体験をつくる上で必要不可欠だなと感じたんです。そこで、アプリ全体のデザインもお願いしようと決めました。

 

「飼い主とペットをつなぐ」という体験をデザインで表現

ー ありがとうございます。出来上がったデザインでは、定義した体験をユーザーに届ける上でどのような点がポイントになっていると感じられていますか?

 

中村さん

「ペットみるん」は今後、ただ外出先からペットを見守るのではなく、例えば遠隔医療など離れていても何らかのサポートができるようにしていきたいという構想があります。ですので、ペットのかわいらしさを強調したロゴやデザインは違うなと思っていました。

例えば今回ajikeさんにつくっていただいたロゴは、そういったサービスのビジョンを踏まえて扉の向こう側から犬や猫がこちらを見ているものになっていて、「ペットを見守る」「遠隔でつながっている」という私たちが提供したい体験を表現することができているなと思います。サービスの定義を明確にしたことで、どんな人にどのように感じてもらい、使ってもらうのかといった一貫した表現ができるようになりましたね。
 


 

デザインは「体験」そのもの。目的に寄り添ったサービス全体のデザインをしていきたい

ー 「ペットみるん」を遠隔医療などのようにインフラとして育てていきたいとのお話がありました。今後の展望を詳しく教えてください。

 

中村さん

例えば、今後の日本は超高齢化社会になり、医療関係者が不足することが目に見えています。ペットも同様で、獣医師さんがあまり多くありません。そのため予防医療が必要になってきます。今後、「ペットみるん」で録画した映像と遠隔医療を連携することでそこに貢献できるのではないかと考えています。新しい機能が生まれる時には、またUI/UXデザインにきちんと取り組んでいきたいですね。

 

 
ー アプリのユーザー体験を向上させていくことはもちろん、今後の構想を踏まえると、アプリにとどまらずリアルとの連携もデザインのかなり重要なポイントになっていきそうですね。私たちもリアルとオンラインをつなぐ「シームレスなUXデザイン」がキーだと考えています。今後の構想についてもぜひご協力させていただければと思います。

 

中村さん

今回、お話していて再確認できたのですが、デザインの定義は見た目だけでなく「体験」そのものなんですよね。私たちとしてもその部分を求めていきたいですし、ajikeさんもそこを目指しているのだと感じました。

とはいえ、「ペットみるん」に課題はまだ残っています。現状のユーザーはカメラのセットが「できる人」に絞られてしまっています。つまり現状ではユーザーを選んでしまっているのも事実です。そんな状態から、ユーザー体験がガラッと変わるようなデザインを目指したいですね。今後は、単に用途を果たすだけのサービスではなく、目的に寄り添うためにサービス全体のデザインを考えていきたいです。