Product renewal

月間1,100万UU/4億PV。アプリ改修の軸はプロトタイピングでした

株式会社ONE COMPATH

メディアサービス本部 和田 織恵 様

株式会社ONE COMPATH(*注記1あり)が運営する「Shufoo!」(シュフー!)のアプリをリニューアルするにあたり、UI/UXデザインをajikeが担当しました。「Shufoo!」は20~40代の女性を中心に利用されている、国内最大級の電子チラシサービスです。
同サービスでは、2019年4月にアプリをリニューアルするにあたり、本格的にプロトタイピングとユーザーテストによる検証フローを導入。リニューアルを終えた現在、実際に検証フローを導入して感じた価値を伺いました。
 

*注記1:2019年4月、「Shufoo!」は凸版印刷株式会社より株式会社ONE COMPATHへ事業譲渡。同日より、株式会社マピオンが社名を変更して株式会社ONE COMPATHとなりました。
*注記2:タイトルにある「月間1,100万UU/4億PV」はサービス全体の数値であり、アプリの数値は公表しておりません。

ビジネスをスケールアップするため、必要だったUI/UXのリニューアル

 

― まず、「Shufoo!」のサービス内容について教えてください。

 

和田さん
Shufoo!」は、凸版印刷株式会社が2001年より運営を開始した、電子チラシを無料で見られるサービスです。今では、“折り込みチラシの電子化”という世界を飛び出し、“折り込みチラシ以外の販促コンテンツ”を載せることも多くなってきています。
サービス開始当初は、パソコン利用が主流でした。しかし、わずか数年で世界が大きく変わりました。そのきっかけがスマートフォンの普及です。デバイスの進化、時代の流れと共に、情報収集の方法やスピードが変化し、「Shufoo!」のユーザー数もぐんと伸びました。

 


 

― 「Shufoo!」はアプリへの参入が早く、10年以上運用されています。今回、ユーザーの再定義とリブランディングからはじまり、UI/UXまで含めたリニューアルに踏み切ったきっかけを教えてください。

 

和田さん
Shufoo!」は月間約1,100万UU、4億PVまでに成長しましたが、さらにブレイクさせるためには、今まで通りのビジネスモデルでは難しい。ちょうどリブランディングが必要なタイミングだったんです。また、もっとユーザーと店舗をつなぐようなサービスにしていきたいという課題もありました。

 

 

― ビジネスモデルのアップデートや、UIの最適化がメインの課題だったのですね。
 

和田さん
そうです。さらに外部要因として、異業種競合の存在も大きかったですね。「Shufoo!」は、電子チラシのメディアとしては日本最大級のポジションにいますが、スマホアプリの世界は常に、ユーザーの時間の取り合いです。限られた時間の中で、どのコンテンツに時間を消費するか。その点において、狭い領域での戦いではなくなってきているところも大いにありました。

 


 

考えるプロセスから、プロジェクトを共にしたかった

― 今回、UI/UXについて外部のパートナーにリニューアルの相談をしたのはなぜですか。

 

和田さん
これまでも、アプリのデザイン改修は外部パートナーに協力いただくことが多かったのですが、社内で方針や仕様、構成をがっちり固めて「作る」部分のみをお願いすることが多かったんです。しかしそれでは、私たちの想定している範囲を超えた仕上がりにはなりません。
今回は、考えるプロセスから外部パートナーに入ってもらい、自分たちにはない知見を取り入れてさらに良いサービスを作りたいと思っていました。そこで、まずは開発のプロセスとは別に予算を確保してプロトタイプを作り、それを元に実際の開発に着手するプロセスに変えてみることにしたんです。

 

 

― 最初に「プロトタイピングをしたい」とお声がけいただいたんですよね。 ajikeをパートナーに選んでいただいた理由を教えてください。

 

和田さん
今まで私たちは、Web制作会社とアプリをデザインしていました。しかし今の時代、UI/UXの観点が非常に重要になります。表層的なデザインだけではなく、全体の最適なサービス設計をし、プロダクトを作り込む。その一連のプロセスを大事にしている、ajikeさんの姿勢に共感したんです。UI/UXのプロと、ぜひ一緒にやってみたいという想いもありました。

 


 

― これまでと異なる開発フローや、外部のパートナーが早い段階から入るなど、新しい試みが多かったと思いますが、不安だったことはありますか?

 

和田さん
Shufoo!」は、様々な経緯を辿って長期間運営してきたこともあって、多角的に配慮しなければならないことが多いサービスなんです。そのため外部パートナーが突然加わって、スムーズに進められるかは、やはり一抹の不安はありましたね。
しかしajikeさんには早くからプロジェクトに入ってもらい、丁寧にコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めることができました。敬遠されるかな?と思うような相談のボールも、投げたら必ず反応してくれる。そのおかげで、少しずつ不安は払拭されていきました。

プロトタイピングとユーザーテストの重要性を実感した

― 「Shufoo!」は月間1,100万UU以上ある大きなサービスです。プロダクトを大きくリニューアルする場合、既存ユーザーが今まで通り使用できるか、変化を理解し受け入れてくれるか、数字が下がらないかといった部分は社内の懸念も大きかったと思います。そのあたりは今回、プロトタイピングとユーザーテストを取り入れることで十分に検証できましたか?

 

和田さん
そうですね。プロトタイピングで可視化されることによって、会社も自分も具体施策の整理ができました。ajikeさんから客観的なフィードバックをもらい、「なるほど」と発見につながることもありましたね。
実際の開発も、これまでよりスムーズに進んだ手応えがあります。社内外の関係者に対しても、パワポの資料や口頭で説明するより、プロトタイプを見せた方が話が進むのが早くて。今回のプロジェクトを機に、プロトタイピングの重要性を実感しました。今後も当たり前のプロセスになっていくと思います。

 

 

― うれしいです。ユーザーテスト当日は、ユーザーがいる場所とは別の部屋でテストの様子を観察していただきましたが、実際にユーザーの行動をご覧になっていかがでしたか?

 

和田さん
最初は正直、ただでさえタイトなスケジュールだったので「ユーザーテストってあまりやりたくないな」と思っていました。例えばユーザーの声次第では、方針を大きく変えなければならなくなり、時間が足りなくなるのではないか、と。ただ今回リニューアルするにあたり、これまで利用してくださっている既存ユーザーに使い続けてもらえるようなUI/UXにすることは死守したかった。ユーザーテストの大きな目的は、その裏取りだったんです。
通常、サービスの運営者に届く声はマイナスのものが多くなるんですよね、どうしても。サイレント・マジョリティがいることはわかっていても、プラスの声はなかなか私たちの元まで届きません。そこが不安だったのですが、テストで実際にヘビーユーザーの方が使う様子をリアルに見ることができ、さほど問題なく使ってくださっていたのでリニューアルに対して安心感を持てました。

 


 

― アプリのリニューアル後の反響はいかがでしたか。

 

和田さん
過去の経験から、最悪のシナリオとして炎上することまで想定していましたが、全くそういうことはなく、スムーズにスタートできました。リリースと同時にユーザーアンケートを取りアクセスログで経過を見ていたのですが、ユーザーの離反が見られなかったので、「これはもう大丈夫」と確信できましたね。
以前のUIを気に入ってるユーザーなどの不満の声も一部ありましたが、“今まで通り”は当初の目的ではありませんし、さらなる成長が難しいので。想定した数字の動きが見られています。

 

 

― リニューアルしてみて、「もっとこうしたらよかったな」ということはありましたか?

 

和田さん
一度のリデザインで、いきなり100点満点を取ることはできませんよね。今後、改善していきたいところもありますので、引き続きPDCAをしっかりと回していきたいと思っています。

 


 

― 最後に、改めて今後のサービスにおける展望について教えてください。

 

和田さん
ONE COMPATHは、自社を「ワンマイル・イノベーション・カンパニー」と定義しています。これは世界を大きく変えるとか、価値観を変えるとかではなくて、私たちの身近な人や場所(ワンマイル)を幸せにしていくことを目指しているものです。「Shufoo!」に置き換えていえば、普段の何気ない買い物をさらに便利に楽しくすること。ユーザーも店舗も、もっと増やしていきたいですね。サービスとしてはまだまだこれから、と思っています。

 

株式会社ONE COMPATHについて

Shufoo!」以外にも、地図検索サービス「Mapion」やウォーキングアプリ「aruku&(あるくと)」などデジタルメディアの運営を中心に事業展開している、凸版印刷株式会社のグループ会社です。2019年4月1日に株式会社マピオンから社名変更をしました。