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ユーザーインタビューの心得 正しく顧客を理解するための4つの前提

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UXデザイナーの富樫です。前のエントリーでは山口が「街頭調査」の方法について記載していましたが、今回はこうしたユーザーインタビューにおけるコツについて書きたいと思います。

この記事では、「正しく顧客(ユーザー)を理解するための4つの前提」をお話しします。4つの前提は『リーン顧客開発 ―「売れないリスク」を極小化する技術 (THE LEAN SERIES)』を参考にしています。

前提1. ユーザーは自分の欲しいものはわかっていない

ユーザーインタビューをする目的は、大雑把にいうとプロダクトに活かすため、どんなサービスにすればよいか決めるためです。こうした時、私たち制作者は「ユーザーのためにどんな機能をつけるのか」を考えており、この答えをユーザー(インタビュイー)に求めてしまいがちです。

しかし、ユーザーは自分の欲しい機能を正確に把握しているとは限りません。1900年代前半に自動車の大量生産を可能にしたヘンリー・フォードは以下の言葉を残しています。

「(自動車がない時代で)もし顧客に何を望むのかを聞いたら、彼らは『もっと速い馬が欲しい』と答えていただろう」

自動車がまだ生まれていない時代の人々は、当然自動車を想像することはできません。今あるものをもっとよくしたもの、程度の想像力に止まってしまう可能性が高いのです。

私たちUI/UXデザイナーの仕事はそんなユーザーの課題や欲しいもののヒントを引き出すことであり、ユーザーに「答え」を求めてはいけません。具体的な質問をしても、作るべきものが返ってくることはまずありません。抽象的な質問をすることで課題や、潜在的なニーズを探り、「答えの手がかり」をもらうように心がけましょう。

前提2. ユーザーは文化的、時間的、物理的な制約を受けている

私たちは普段気づかないだけで、様々な制約の中で生活をしています。先ほどの馬しかない社会で車の発想が出ないように、例えば「位置情報機能」がなければ「現在地から探す」が欲しい!という要望はなかったかもしれません。

ユーザーは自分の中で答えを制限している場合があるため、インタビュアーはそんなユーザーにかかったバイアスを外してあげることで、本当にユーザーが望んでいるニーズを把握することができます。

例えば「魔法が使えたら何をしますか?」という質問は、ユーザーの固定観念を外して、本当に求めている機能のヒントになるかもしれません。

前提3. ユーザーは過去に試して失敗したことを話すことを忘れてしまう

人の脳は最近の出来事に注意を向けるため、過去の失敗は覚えていないことが多いです。みなさんも、会話の途中で「例えばそれはどんな時?」と不意に問われ、なかなか答えが思いつかなかった経験があると思います。

そんな時は、「前回行った行動」について問いかけてあげるのが効果的です。

例えば美容室検索サイトなら、「前回美容室選びをしたときはどのように探しましたか?」と問いかけ、最初のアクションから順々に話してもらうことで過去を想起しやすくなります。これによりインタビュアーも一緒にユーザーの課題やつまずきを見つけてあげることができるかもしれません。

前提.4 ユーザーは使用しているツールやプロセスに詳しいからといって、仕組みを理解しているかはわからない

現在調査しているサービスのファンだとして、どのように使うかは詳しくても、なぜこうした行動をするのか、どういう感情が働いているのかまで自覚しているユーザーはほぼ存在しません。

インタビュアーは表面的な答え以上の洞察を得るために、ユーザーを誘導してあげる必要があります。

とはいえ以下のような質問はNGです。

インタビュアー「そこで躓いた理由って◯◯だからですか?」

ユーザー「え、はい。そうですね。確かにあのときそう思いました」

ユーザーのインサイトを正確に測るときは質問の抽象度ををあげて、以下のように話しましょう。

「その直前は何を考えていましたか? どうしてこのような行動を起こしたのだと思いますか?」

答えを縛り付けず、行動の要因を正確に誘導してあげてユーザーの行動を知りましょう。

まとめ.  ユーザーは何が欲しいのかわからないかもしれないが、必要としているものは隠せない

ユーザーの発言に答えはありませんが、感情の動き、課題、行動パターンを見ていくことでヒントは見つかります。発言の裏から必要としているものを読み取り、よりよいプロダクトづくりに活かしましょう。

私もこれらのつい忘れてしまいがちな前提を頭に入れつつ、日々のユーザー調査に向かいたいと思います。

Illust : Designed by Freepik

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