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「サッカー界のデジタル改革」から見る、クラブがすべきUXデザインについて

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こんにちは、神田です。

今日はサッカーファンとして、サッカークラブが提供するUXデザインについて考えます。
サッカーのUXデザインと言ってもあまりピンとこないかもしれませんが、UXデザインは、なにもアプリやウェブサービスのUIデザインの為だけに存在するものではありません。

企業とユーザーとの関係性を構築する、広い意味での体験づくりのデザインと捉えれば、UXデザインがデバイスの領域を越えて用いられることの必要性がわかると思います。

さて、今回のテーマで書こうと思ったきっかけは、コンサルティング会社PwCのサイトから「サッカー界のデジタル改革」という資料を発見したからです。

PwCは2016年4月に関東リーグ2部チームのオフィシャルスポンサーになり、ビッグクラブ構想を掲げるなどサッカーに力を入れています。23区内のチームにビッグクラブが創られる未来を考えると、いちファンとしても楽しみになります。

というのも、スタジアムでのサッカー観戦は面倒なのです。野球のジャイアンツやスワローズのような、都心拠点のサッカークラブがありません。
郊外に観戦しにいくと、周りにはスタジアム以外になにもなく、ゲームを観戦したあとは電車にのって帰るしかありません。
都心にクラブを作らないというのは、Jリーグ設立当初の方針だったらしいですが、「ユーザー体験」という意味では、あまり満足できるものではなく、サッカーファン醸成を阻害している要因になっていると思います。

UXデザインで、コンテンツの枠組みを越えたコミュニケーションを。

話が逸れました。「サッカー界のデジタル戦略」では、「ユーザーエクスペリエンス」についての分析が多く、デジタルの活用によってUXが劇的に向上することを説明しています。

個々のファンが好きな食べ物、スタジアムで座りたい席、よく見るビデオ・クリップ、見せびらかしたいと思う選手のユニフォームなどを、クラブが正確に知っていたらどうなるか想像してみてほしい。つまり、それこそが私たちが考えるサッカーの未来であり、「デジタル・ネイティブ」ファンが期待していること、すなわち完全にパーソナライズされたエクスペリエンスをファンに提供することができるサッカークラブなのである。

試合は、サッカークラブが必ず提供するコンテンツですが、それだけでは存続できません。
クラブがファンに対して提供するコンテンツは、「ニュース」「SNS」「EC」「動画」「交流の場」「リアルイベント」…など、交わるポイントが多くあります。
「完全にパーソナライズされたエクスペリエンス」とは、ファンを集団として捉えるのではなく一人の消費者に向けたコミュニケーションを提供するという意味合いでしょう。いつ、どこで、どのような形でユーザーに最適なコンテンツを届けるか。そういう意味で、普段私たちが行っているUXデザインと同じことを言っています。
コンテンツやデバイスの枠を越えて、ユーザーにパーソナライズ化された体験を提供することは非常に難しい。しかし、クラブは散らばっているデータを集約、整理した上で、ユーザーとのコミュニケーション方法をデザインしなければなりません。

また、PwCの資料では次のようなことも言っています。

ファンとクラブとの距離感を近づける。

ファンはクラブに、ヒーロー選手に、そして仲間のサポーターに伝えたい感情がある。
ソーシャルメディアは、この共感欲求を満たす最善の方法として、既にその地位を確立している。
ソーシャルメディアの文化的重要性の増大と新たなプラットフォームや機能の出現により、クラブは今までになかった興味深い方法でデジタルの恩恵を受けることができるようになるだろう。

試合を見た後、だれかに感想を伝えたかったり、フラストレーションを貯めているが吐き出す場がないシーンがあります。
twitterは感情を吐き出すプラットフォームとして現時点で最善の場となっており、ゲームの際はファン同士のコミュニケーションが活発になります。しかし、ファンが本当に話したい相手はクラブであり、選手です。
選手への評価や、応援の言葉、とってほしい戦略など、投げかけたいコミュニケーションは沢山あり、それは試合の度に湧き出るもので尽きることがありません。
つまり、ファンは常にクラブや選手との距離を近づけたいと思っています。

クラブのデジタル戦略は、ファンのモチベーションやデータをどのように分析・活用するかによって大きくエンゲージメントの確率が変わります。
クラブや選手とユーザーの距離感が今よりもっと縮まれば、ファンはもっと満足する体験を得ることができ、各クラブ発展のきっかけにできると思います。

わたしも、普段サッカーを観戦したりニュースを見たりしていて、偉そうに文句を言っています。
もし協会やクラブとコミュニケーションを取れる場があったら、選手やクラブをより近くに感じられると思います。

クラブや協会は、ファンとのコミュニケーションをデザインできる立場です。つまり、企業側がコンテンツを集約し、ファンにどのような体験を提供するかというUXデザインを行う必要があるのです。

まとめ

・サッカークラブは一貫したユーザー体験のデザインが必要。
・データを集約・整理し、ユーザーとのコミュニケーション方法をデザインする。
・ファンは選手やクラブとの距離を縮めることを望んでいる。

欧州レベルになかなか追いつけない日本サッカーですが、ユーザー体験のデザインによってファンが増えればまわりまわってサッカーの質も上がっていくはずです。
クラブ、協会のデジタル戦略担当者のみなさま、私を呼んで下さい!

では。

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