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メディア「Quartz」のチャット型アプリから見る、サービス提供者とユーザーのコミュニケーションのかたち

こんにちは、神田です。

突然ですが、Quartzというメディアをご存知でしょうか。

Atlantic Mediaという会社が運営しているアメリカのビジネスメディアです。

月間1000万人のユーザーが閲覧しており、ITでの取り組みも常に先進性をもっています。
いまやスマホでメディアを見るという人がマジョリティになっていますが、Quartzは2012年にスマホファーストメディアとしてスタートし、話題になりました。

そして2016年、Quartzがリリースしたアプリは他のメディアとは一線を画したものになっています。

特徴は、「チャット形式」で記事をリコメンドしてくれるというものです。
メディアやウェブサービスでは、「パーソナライズ化されたコンテンツや商品のリコメンド」がエンゲージメントを高める手法のひとつです。
amazonやyoutubeなどを想像してもらえれば、自分にパーソナライズ化されたアプローチが良く分かると思います。
Quartzの場合、現時点では記事がパーソナライズ化されているわけではないようですが、チャット形式という手法は実験的で新しい試みになっています。

このように、おすすめ記事はチャット形式送信され、興味のあるニュースは吹き出しをタップすると閲覧できます。もしくは、「anything else?」などの選択肢をタップするとまた違うニュースを紹介してくれます。ただし、質問は用意されているもので、メッセージを入力して送信するということはありません。
まだまだ機能は限定的ですが、このシンプルさが良いと感じますし、今後の展開も色々な形が考えられますね。
細かいですが、たまに送られてくる「Good afternoon」や「Alright, let’s get you the latest news…」というような人間味を感じられるコミュニケーションも良いなと感じます。

情報を「どのように」提供されたい?

世の中にメディアやCGMが溢れているため、ユーザーは信頼できる情報を、膨大な情報の中から選定する必要があります。
クックパッドや食べログは巨大な情報量のサービスですが、使う側からするとハズレも多い。
CGMでのユーザー同士のコミュニケーションでは、なかなか満足な体験を得ることが難しくなっているのではないでしょうか。
そのために、以前の記事で紹介したような「便利機能への課金」という形があると思います。

しかし、Quartzのアプリを見てハッとしました。
サービス提供者やその分野のプロフェッショナルが、会話の中でコンテンツをおすすめしてくれることはとても良いコミュニケーションなのではないかと。
ニュースメディアではなく他の分野でも、Quartzのようなコミュニケーションを応用しても良さそうです。

・今日のレシピを、チャット形式でおすすめしてくれる。
アプリ)カレーはどう?
わたし)びみょう
アプリ)じゃぁ、ハンバーグ?
わたし)う〜ん…

・会食のお店をおすすめしてくれる。
アプリ)場所はどこらへん?
わたし)赤坂
アプリ)予算は?
わたし)5000円くらい
アプリ)それなら、この店が良いんじゃない?

例えが短絡的でしょうか…。簡単に言うな!という声が聞こえてきそうです。
しかしこれなら、情報を提供する側、探す側という無味乾燥な関係性ではなく、コミュニケーションを取る友達という感覚になり距離が近くなりそうです。

メディアやウェブサービスで上記のようなコミュニケーションを実現するのは、多くの人にとって現実的でないかもしれません。しかし、サービス設計において「どんな情報を」届けるか練られているものは多いですが、「どのような形で」届けるかは画一的なものになっているような気がします。
ついつい画面設計ばかりに目を向けていると、コミュニケーションの部分が欠落してしまいます。
特に、デザイナーは画面上のデザインやUIにこだわりを見せますが、それではQuartzのような「チャット形式でのコミュニケーション」というアイデアは出てきません。

サービス提供者とユーザーの距離を近づけるコミュニケーション

メディアやウェブサービスにおいて、サービス提供者はユーザーとどのような関係性を計るべきでしょうか。
情報はあらゆる分野で抱えきれないほど多くなりました。しかしそれをピックアップするキュレーションの手法も現在のサービスやメディアの形が最適解とは思えません。ユーザーが「その状況を解決してくれる情報」を欲するときは、サービス提供者やその分野のプロ、あるいは信用できる誰かに教えてほしいと感じています。
どのような形で…?
私は、コミュニケーションの形がより「リアル」な感覚に近くなっていくことを目指せばよいのではないかと思います。

たとえば、
・人間味を感じられる
・相手の顔や性格が見える
・会話できる

など。
ユーザーから好まれるサービス設計になっているかを判断するとき、上記のような指標をいれても良いかもしれません。
どのようなサービスであれ、顧客と会社の距離感が近いことにデメリットはないはずですから。

以上!

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