弊社では UP to ME! というECサイトの運営を行っております。
元々、Googleアナリティクスの設定やアクセス解析のコンサルティングはソリューション事業のひとつとしてずっと行ってきました。
ただ、事業主側としてGoogleアナリティクスを使う場合の視点を磨きたかったので、EC事業を実際に行いました。
運用時に気をつけていることはいろいろありますが、まずはECサイトにGoogleアナリティクスを設定した時に行ったことをまとめておきます。
1.Googleタグマネージャー(GTM)の設定
Googleタグマネージャーは、Googleが提供するタグマネジメントツールです。
タグマネージャーはひとつのタグを介して複数のタグを管理できるサービスです。
ECサイトは運用フェーズに入ると、いろいろなサービスのタグを設定していくことが予測されます。
Facebook PixelタグやAdwordsのタグ、その他広告タグ、もちろんGoogleアナリティクスタグなどその他いろいろタグの設置が必要になります。
その度にエンジニアに依頼していては無駄な工数が発生するので、ディレクターや担当者が自身でGTMの管理画面からタグを設定できるようにしましょう。
なので、まずはGoogleアナリティクスのタグはGoogleタグマネージャーから設置をしましょう。
Googleタグマネージャーの設置方法は以下ブログが詳しいので参考にしてみてください。
参考サイト
Googleタグマネージャ 初期設定の手順、使い方まとめ ++ SEO HACKS公式ブログ
2.ビューの設定を3つ作る
ビューは特定の条件に該当するデータを抽出してレポートに表示するものです。
例えば、自社からアクセスしている数値は計測しないビューを一つ、関係のないサブドメインを除いたビューをひとつ。など、データを正確に把握するためにフィルターをかけます。
よくあるものとしては
– すべてのデータを含むビュー。いわゆる生データ。(デフォルトのビューですね)
– 自社IPアドレスからのアクセスを取り除いたビュー。
– サブドメインのデータを取り除いたビュー。
など。3つのビューを設定して、なるべく正確な状況を把握できるようにしてください。
生データが必要ないのでは?という意見があるかもしれませんが、これはバックアップ用として保持しておいてください。
3.フィルタを設定する
計測対象を絞りこむためにフィルタを設定します。
PCだけ、もしくはスマートフォンのみのアクセスを知りたいときにこのフィルタを設定します。
これはビューを作成したあとに、ビューに条件をつけるための設定です。
また、Googleアナリティクスを見ていると、いろいろな迷惑行為(スパム)のデータも取得されます。
それらを外すために以下の設定をしてください。
参考サイト
[Google Analyticsでよく使いそうなフィルタ設定 | Webコンサルティング/Webマーケティングのパワー・インタラクティブ]
[Googleアナリティクスで98%以上のスパム記録を除外する方法! | AnalyzeFindOut~アクセス解析を調べる]
4.デモグラフィックデータを表示できるようにする
Googleアナリティクスではアクセスした人のデモグラデータを確認することができます。
アナリティクス設定>プロパティ設定の「ユーザーの分布とインタレストカテゴリに関するレポートの有効化」をオンにしてください。
これでユーザーの年齢、性別、興味や関心のデータがGoogleアナリティクスに表示されるようになります。
この設定で注意点としては、トラッキングコードを調整する必要があります。
[Google アナリティクスでリマーケティングと広告レポート機能を有効にする – アナリティクス ヘルプ]
ちなみにこのデモグラフィックデータの根拠はGoogleディスプレイネットワーク(GDN)と提携しているサイトのcoookie 情報から取得しています。
確実なデータとはいえないですが、定性的な統計データとして見ることはできます。
5.GoogleアナリティクスでSearch Console のデータにアクセスできるようにする。
Googleアナリティクスの設定は完了したけど、Search Consoleの設定をしないケースを見かけるので留意してください。
この設定を行うことで、not providedと表示されていたGoogle の検索キーワードを見られるようになります。
最近はヤフーも検索結果ページをhttps化したこともあり検索キーワードの取得が難しくなってきています。
その場合はサチコミエルカなど形態素解析技術を用いたサービスを利用するのも一つの手でしょう。
[サチコミエルカ - コンテンツの課題を、見える化。コンテンツマーケティングツール]
6.eコマーストラッキングを有効にする
ECサイトの分析を正しく行うには、「eコマーストラッキング」を有効にしましょう。
eコマーストラッキングを有効にすると
– 購入された商品
– 数量
– 収益
– 配送料
– 数量
– ユーザーがサイト訪問から購入に至るまでにかかった日数や訪問数
などが、Googleアナリティクスのレポートで見られるようになります。
eコマースタグを設定し、アナリティクス設定>ビュー設定>eコマーストラッキングをオンにします。
ASPサービスなどであれば、設定画面でONにできるようです。
弊社のECサイトは自前でシステムをつくったので、拡張eコマースの設定を行いました。
通常のeコマーストラッキングとは設定方法が複雑になるので、エンジニアが社内にいないなどの場合は通常のeコマーストラッキングを設定してみてください。
[e コマース トラッキング | ウェブ向けアナリティクス(analytics.js) | Google Developers]
[拡張 e コマース | ウェブ向けアナリティクス(analytics.js) | Google Developers]
7.カスタムレポートに時間帯別アクセスを追加
カスタムレポートを活用しましょう。
ユーザーの行動を把握しようと思うと、アクセス時間を調べて仮説を立てることが求められます。
その場合はどの時間に来ているかを見ると思いますが、Googleアナリティクスに時間帯別で表示するデフォルトのレポートがありません。
なので、カスタムレポートを設定してどの時間にアクセスが多いか、少ないか等を把握してコンテンツを練りましょう。
参考サイト
[Google Analytics新バージョンでの時間帯別の見方 | Web Marketing Blog]
8.Tag Assistantを導入しましょう。
Google から公式ツールのChrome エクステンションとして、タグアシスタントというものが公開されております。
特に拡張eコマースの設定はテストと確認が大変です。Tag Assitant をいれておくことでタグがうまく動いているかどうかを確認できます。
Cookie の記録状況やGoogle への送信情報も見られますので、タグを設定する場合はこちらのエクステンションで確認しましょう。
参考サイト
[Tag Assistant (by Google) – Chrome ウェブストア]
9.ゴールフローを活用するために、目標と目標達成プロセスを設定しましょう。
ゴールフローはコンバージョンまでの経路で課題を発見しやすくなります。
ゴールフローを活用するためには、以下の設定をしましょう。
– 目標設定
– 目標達成プロセス(プロファイル設定から行います)
– カスタムセグメントの設定
主にコンバージョンの前のどこで離脱したかが見えるようになるので、著しく数字が悪化しているところなどを見つけてコンテンツを検討するとよいでしょう。
他にもいろいろ設定はしましたが、まずはこんなところでしょうか。
もちろんECサイトだけでなく、通常のサイトでも活用できるものばかりですので、まずは正しく設定を行って、正確なレポートが上がってくる状態を心がけてみてください。
その他にも良いアイデアがあれば教えてください。